ハーメルン
変身せよ、強き自分へ 臆病者は変われるか?
プロローグ・エンド

 「イエローボーイ、エスコートは任せろ。君は彼女を落とさないように付いてきてくれればいい」

 「わかった。えーと、ナターシャさん?舌を噛まないようにお願いします」

 「落とさなければ大丈夫よ。それより急いで!」

 「了解!」

 先行するアイアンマンについていくように飛行する俺、お姫様抱っこみたいな状態になってるナターシャさんに気をやりながら後ろから連射されるビームを躱していく。ジェットコースターよりひどい軌道をしていると思うけどナターシャさんが全然余裕綽々だ。多分俺だったら平衡感覚失って落ちてると思う。

 「ほら、レディを連れた紳士を攻撃するなんて品がなってないぞ」

 アイアンマンは俺よりずっと奇麗で見事な飛行を見せながら掌から出るビームでエイリアンを次々撃墜していく、さっきのキャプテン・アメリカの盾投げやナターシャさんの格闘術、それにアイアンマンの射撃……どれもほれぼれする腕前だ。俺が戦闘について全くの素人だからというのもあるんだろうけど。

 いまも付かず離れずの位置を維持しながら敵の殲滅を同時にこなしているアイアンマン、両手がふさがってるので飛ぶしかできない俺でも何かできれば……そんなことを考える間もなく敵が湧き出るポータルの真下、スタークタワーについた。スタークタワー屋上を目指して一気に加速し昇り切った。ナターシャさんを下ろし、アイアンマンは用は済んだとばかりに別の方面へ行ってしまう。

 「ゼロワン、協力感謝するわ。まだ戦う意思があるんだったら、スティーブのところに戻って手伝ってあげて」

 「ナターシャさん、ご武運を(グッドラック)

 「あら、あなた日本人?」

 「……そんなところです」

 咄嗟に返した英語でのグッドラック、どうも前世からの日本語訛りが抜けてない俺の英語を聞いていてある意味確信を持ったらしいナターシャさんの問いに曖昧な答えを返して俺はスタークタワーの屋上から飛び降りる。飛行しながらすれ違いざまにエイリアンをぶん殴って撃墜を繰り返す。キャプテン・アメリカの方を手伝えって言われたけどこんだけ広域に被害が出てるなら逃げ遅れた人がいるはずだ、無限とも思えるほど湧いてくるエイリアンを潰すより被害を受けてる人を探して助けたほうがいいと思う。

 「……っ!いた!」

 「フライングインパクト!」

 どうやら地上を移動して逃げようとしていた一団が見つかったらしく、ビル影に隠れてはいるがエネルギー弾の弾幕にさらされていた。ベルトのキーを押し込んで必殺技を発動させる。背中から翼が展開した俺は弾幕の中に突っ込み体当たりでエイリアンを撥ね飛ばして翼で切断していく。あらかたエイリアンを倒し終わるが残党が逃げ回って面倒だ、ベルトの前に手をかざすとシステムに紐づけされた青いアタッシュケースが転送されてくる。どこから?っていうのは俺もよく知らないのでわからん。ゼロツープログライズキーが作ったわけではないから、俺はそれがどこにあるのかを知らない。


 そのままアタッシュケースを変形させてできるのは大型のショットガン、アタッシュショットガンだ。大型のスラッグ弾を発射するモードではなく散弾を発射するモードを選択し俺は避難者が隠れているビルの前に仁王立ちしてエイリアン相手に乱射する。一発700個に分散するショットガンの弾幕がエイリアンの包囲網に穴をあけていく。とどめを刺すために俺はもう一つプログライズキーを取り出して起動し、アタッシュショットガンに叩き込んだ

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