ハーメルン
変身せよ、強き自分へ 臆病者は変われるか?
エクストリミス・エンカウント

「Revive like phoenix!バーニングファルコン!The strongest wings bearing the fire of hell」

 バーニングファルコンプログライズキーを装填したゼロワンドライバーとゼアがライズホッパーを運転する俺の両脇にバッタのライダモデルと燃え盛るハヤブサのライダモデルを生成する。俺の体をスーツが覆い、ハイブリッドライズでバッタとハヤブサが鎧に変わる。変身が完了した俺はバイクごと飛び立ち、ライズフォンにバイクを戻してテネシー州ローズヒルに向けて音速を超えて飛び立ったのだった。

 「しかしまあ、ひどいなこれは」

 仮面の下に映るニュース映像、もうクリスマスだから分厚い雪を降らせる冷たい雲の中を燃え盛るハヤブサが進んでいく。ニュース映像ではボロボロに崩壊したトニーさんの家とトニーさんが死亡したというニュースが繰り返し放送されていた。J.A.R.V.I.Sからは……反応がない。本当に大丈夫だろうか。

 念のためトニーさんの携帯に繰り返し電話をかけてみるけど反応はない、携帯ごと海の下に沈んでしまったのだろうか?あ!そうだ!ペッパーさん!トニーさんと一緒だったのだろうか?とりあえず連絡入れないと……!ワンコール、ツーコール……!つながった!

 「ペッパーさん!?大丈夫ですか!?ご無事ですか!?」

 『……ハル?ハルなのね?ごめんなさい……!今少し立て込んでて……』
 
 「わかってます!だから電話したんです!いいですか!トニーさんは無事です!J.A.R.V.I.Sから俺に最後の連絡がありました!今、スーツでどこかに飛んでいってるみたいです!」

 『……ほんと?ほんとなのね?……トニーは、無事なのね?』

 「少なくとも生きてはいます。ニュースのいうことは嘘っぱちです。ですけど、トニーさんが反撃しやすいようにマスコミに漏らさないようにお願いします。またテロリストに狙われたら冗談じゃない」

 『ええ、分かったわ。ハル、教えてくれてありがとう』

 「はい、取り敢えず俺はJ.A.R.V.I.Sの反応が消えたところを探してみます。場所はテネシー州、ちょうど近くにいるので」

 『……分かったわ。ごめんなさい、お願いします』

 「はい」

 最初は泣きはらしたような声で電話に出たペッパーさんは、トニーさんの無事を知ると声に覇気が戻ってきて、電話を切る頃にはできる女という感じの気丈な声に戻っていた。俺がちょうどJ.A.R.V.I.Sの反応が消えたところの近くにいるという話を信じたらしいペッパーさんの了承も得たので、一層頑張らないと。




 音速で移動すれば州をまたぐ移動だろうがそう時間はかからない、真反対のカリフォルニア州のマリブならともかく、昼に飛び出した俺は、テネシー州ローズヒルに夕方に到着した。とりあえず拠点が必要だと思ったので近くにあるモーテルの一室を借りることにする。林の中で変身を解いた俺が降りしきる雪に耐え切れずモーテルに駆け込んでそのまま部屋を借りた。

 「さて、ここからが勝負だな」

 独り言を呟きつつ、スタークさん製のスマートウォッチにゼアを直結する。そこらのハイエンドパソコンが裸足で逃げだすとトニーさんが豪語してただけあって超々高性能なんだ、ゼアのパワーをそれなりに受け止めることが出来るくらいには、だから……このスマートウォッチとライズフォンをリンクさせて……ローズヒル中のオンラインな監視カメラをジャックしてトニーさんを探す!

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