ハーメルン
某妖怪「超有名冒険譚の主人公が目の前にいるんやが」
7




ガネラことガネピッピが、妖怪ウォッチを探している──

──一方その頃
ケータと、ケータ家とりつき妖怪達は記憶を取り戻していた。

妖怪ウォッチが何故か骨董品店で売られていたのだ。
それを譲り受け、とりつき妖怪達をぶっ飛ばし、妖怪メダルを手に入れることで、全員記憶を取り戻した。

「絶対ガネラの仕業にゃん」
「そうとしか思えませんよ」

そして、全部ガネラの仕業ってことにされそうになっていた。

ケータは半信半疑で、ウィスパーとジバニャンの言い分を聞く。

「ガネラはマージでやるにゃん。こういうこと。」
「ただのイタズラ好きな妖怪とは違って、なまじ力がある分、変な事をするんでウィス」

いや……後方オタク面か……?

二体は得意げに言うと、ますますケータが訝しんだ。

だって、そんなことする?

最近目覚めたばかりで、現代文明ワクワクだぜ!だった妖怪が

自分の現代散歩を妨げてまで、イタズラをするだろうか。

それに出会った時、あんなに悲しそうだったのに。

「ケータも一回は伝記、読んだ方がいいにゃん。ちょっとは頭良くなるにゃんね」
「ちょっと!それどういう意味!?」

「お〜顔真っ赤にゃん」と笑うジバニャン。顔真っ赤なケータ。

くだらない口喧嘩が始まりそうになって、ウィスパーはため息を吐く。

「でも実際色々な事が乗っていますし、中々勉強になるでしょうね。」
「え?本気で言ってたの?」
「俺っちは何時だって本気にゃん」

ウィスパーはいそいそと妖怪パッドを操作すると、ケータに差し出した。
一つの物語のページが映し出されている。

「これがガネラの冒険譚でウィス。一番易しい話ですから、ケータくんでも読みやすい筈ですよ。」
「え〜小説じゃん……」
「いいから読むにゃん!」

布教を決めたオタクはテコでも動かない。

そのことを知ってか知らずか、ケータは諦めて、その話を読み出した。

一時間後……

「妖怪ウォッチ盗んだ犯人分かった!」
「誰にゃん?」
「ガネラだ!」
「ほーら納得でしょう?」

コイツ!物盗むのに躊躇いがない!

ケータは理解した。
みんながガネラガネラ煩く言う理由は分かりきれなかったが、ガネラに対する悪評については完全に理解した。

コイツ!性格悪いよ!

「ウィスパー!ジバニャン!ガネラ捕まえよう!」
「捕まえてどうするにゃん?」
「捕まえないと何も始まらないじゃん!」

今朝方、ガネラが念入りに覚えていないのか確認してきたのも、こうなってくると怪しく思える。

ケータの頭の中では、すでにガネラが犯人であると確定されていた。

「絶対捕まえるぞ!えいえい、おー!」
「おー、だニャン!」
「おー、でウィス!」

こうして、ガネラは何も悪いことしてないのに、勝手に犯人だと断定されたのである。






「へえ。この街の守り神は今、お留守なのね。……そんなことを、この私に教えてしまって良いの?」
「はい。ガネピッピさんになら……」

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