ハーメルン
波動使いのヒーローアカデミア
コスチューム改造計画

ヴィランの侵入があった数日後。
それ以降騒ぎが起こることもなく、普通の学校生活に戻っていた。
今は放課後。
散々後回しにしてしまっていた透ちゃんのコスチュームの件を相談するために、ミッドナイト先生を訪ねて職員室に来ていた。
ちらちらと何人かの先生がこちらを見ているのを感じるけど、無視してミッドナイト先生のところまで進んでいく。

「あら?確か…1-Aの生徒よね。あたしになにか用事かしら?」

「葉隠透です!先生に相談したいことがあります!」

「ん……透ちゃんのコスチュームのことで……ちょっと相談したいんです……」

「コスチュームねぇ……あたしもヒーローの端くれだから相談には乗れるけど、専門的な話になっちゃうと詳しいことは分かんないわよ?」

先生は口ではあまり気が進まなそうだけど、笑顔で対応してくれていた。
内心で面倒くさがってるなんてこともなくて、言葉通りの意味みたいだ。
なぜか私たちが先生に近づいた途端に、椅子に座ったまま足を組んだりセクシーポーズのようなものをしだしたりして不安だったけど、行動に反して優しい先生で安心した。
そんな先生の様子を眺めつつ、透ちゃんと相談に来た経緯を説明していく。

「今の私のコスチューム、手袋とブーツだけなんですよ」

「まあ透明人間っていう個性の性質上、活かそうとすると布地がどんどん減っていくでしょうね」

「はい……それで、裸はさすがにまずいですし……体育祭の全裸の人……あの時以外全裸の噂なんて……聞いたことなかったので……そういうコスチュームが作れるんじゃないかって思って……同性で相談しやすそうなミッドナイト先生に……相談しに来ました……」

「んー……」

ミッドナイト先生が考え込む。
先生の思考にはMt.レディがちらついている。
やっぱりそういうことなのだろう。

「確かに、個性が影響するコスチュームを作れないわけじゃないのよ。後輩が自分の髪の毛とかを混ぜた繊維を使ってコスチューム作ってたはずだしね」

「あ、やっぱり作れるんですね!」

「ええ。ただ髪の毛とか、自分の身体の一部が必要なのよね。でもあたしはどのくらいの量が必要なのかとかは分からないから……やっぱりここから先は専門家と相談するべきね。コスチューム開発のライセンス持ってるパワーローダーに話を通しておくから、行ってみなさい」

つまり、作れるはずだけど詳しいことは分からないから専門家に聞いて欲しいって感じだった。
ミッドナイト先生は端末ですぐに話を通しておくから、この後行っても大丈夫とまで言ってくれた。
至れり尽くせりだ。

「ふふ……コスチュームのデザインとか、どこまで攻めても大丈夫かとかの相談なら喜んで乗るわよ。あと、恋愛関係の相談も大歓迎。またいつでも相談に来てね」

「ありがとうございます!」

「あっと、言い忘れるところだったわ。コスチューム改良となると多分説明書要求されると思うから、忘れないようにね」

どこまで攻めても大丈夫かとか言ってるけど、コスチュームの露出に規制がかかったのはこの人のせいではなかっただろうか。言わないけど。
ただミッドナイト先生は、見た目、というよりも露出に反してすごくいい人だった。
専門外の話を持ってこられたはずなのに一切悪感情を抱いていなかった。

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