ハーメルン
波動使いのヒーローアカデミア
コスチューム

2日目になった。
昨日家に帰ったあと、お姉ちゃんに友達ができたことを伝えたら大喜びで抱きしめられた。
外はもう暗いのにお祝いなんて言ってケーキを買いに行こうとするお姉ちゃんを必死で止めて、そのまま一緒に夕食を食べて就寝したのだ。

昨日言われた通りヒーロー科は本当にガイダンスなんてやらないみたいで、今日から授業が始まっている。
午前中は普通の授業だった。
先生がヒーローだから変わった授業になったりするのかななんて考えたりもしたけど、本当にごくごく普通の授業だった。

前の席の不良くんもとい爆豪くんのこともちょっと警戒していたけど、『くそつまんね』とか思ってるくらいで授業は真面目に受けてて安心した。
流石に倍率300倍を超えられただけあって、不良は不良でも勉強もできる不良だったらしい。

お昼は透ちゃんと一緒に食堂で食べることにした。
席を探していると、麗日さんと緑谷くん、飯田くんがいる机が空いていたから相席させてもらうことにした。

ランチラッシュのメシ処。安価で一流の色んなメニューを食べられるすごい所、らしい。
緑谷くんがかつ丼、飯田くんがカレー、麗日さんが肉じゃが、透ちゃんがラーメン、私はそばにした。
どのメニューも甲乙つけがたいくらい美味しそう……
これからは毎日ここで食べれるんだから、いろんなのを頼んでみようと心に決める。お姉ちゃんに作る食事の参考になりそうだし。

それにしても……透ちゃんは食べ物を口に入れた瞬間に見えなくなってるけど、どういう仕組みなんだろう。
彼女の身体の中に入った瞬間に食べ物の波動も透視しないと見えなくなってるし、皮膚が光を透過するとかそういう仕組みなんだろうか。
でもそれだと髪の毛が見えないのも食べたものが見えないのもおかしい。うん、よく分からない。

そんなことを考えていたら、なぜか食堂をまわっているランチラッシュがやってきた。
ランチラッシュに会えたことに感動したのか緑谷くんがすごい早口でブツブツと何かを言っている。ちょっと怖い。

「白米に落ち着くよね、最終的に!」

「落ち着く」

麗日さんは麗日さんでお米を食べながら同意していた。好きなんだろうか、お米。

「麗日さん……お米……好きなの?」

「ん?うん!特に好きなのはおもちだけどね!」

おもち。
うん。おいしいよね、おもち。私はあんまり食べないけど。

「おもちには無限の可能性があるんだよ!おもち1個でもごはんにできちゃうし、アレンジも効くの!醤油でしょ、海苔でしょ、海苔お醤油マヨネーズでしょ、バター醤油でしょ、砂糖醤油でしょ、きなこでしょ、納豆でしょ、納豆キムチでしょ、納豆キムチマヨネーズでしょ、大根おろしでしょ、お雑煮でしょ、お汁粉でしょ、チーズでしょ」

「す、すごいね……そんなにあるんだ」

麗日さんがおもちを語り出したら止まらなくなってしまった。
緑谷くんがちょっとびっくりしてるけど、さっきまでの緑谷くんも同じようなものだったからと心の中で突っ込みを入れておく。
そんなことを考えていたら、飯田くんが実際に突っ込みを入れていた。
この3人の中では飯田くんは完全に突っ込み役のようだった。
それにしても、おもちがそこまでアレンジの効く食材だとは思ってなかった。
今後の料理のレパートリーに加えるのもありかもしれない。

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