第30話 馬を買う、かねがね金がねぇ
手持無沙汰になるとどうにも気持ちが落ち着かないってのは、やっぱあれだよ、ニートを続けるにも才能ってのが必要なんだ。
やるべきタスクは終わらせてしまおう、そう決心して俺は【覚醒者掲示板】の地方情報スレを覗き込んだ。
「牧場で道産子・木曽馬など日本在来種の馬を買いつけて、軽トラで支所・派出所・異界前など霊地に運んで一時預かりしてくれる代理人を募集します。こちら【トラポート】持ちなので連絡いただければすぐに受け取りに出向けます、値段や頭数は要相談。と」
自分のハンドル名を『馬ニキ』と設定して、仕事の依頼を書き込む。オカルトが絡む命の危険がある仕事じゃないから、1日1回スレをチェックすれば良いだろう。
それより、本命は異界攻略の臨時メンバー募集といった地方のお仕事を探すことだ。俺のトラポートは運び屋向けではないが、Lv20黒札+仲魔3人という戦力を全国各地に派遣できると考えれば、稼げる能力である。
【ガイア連合】の派出所開設となればそこに置く販売用消費アイテムだけでも多額の費用がかかるし、拠点防衛用の【シキオウジ】は無理でも、貸出用の【退魔装備】【属性武器】【アガシオン】【イヌガミ】【シキガミ】「小ネタ とある地方の異界事情 後編の後編 」を一通り揃えるとなると、それだけでゲロ吐きそうになるくらいの額になる。また派出所は土地建物の値段だけでなく、専用のネット接続機器を設置したり、遠見の術などを弾く密談スペースとか、物理的オカルト的の両方に対策した物品倉庫とか、オカルト的改装も必要となる。
とにかく、稼いで稼ぎまくらないといけない。副産物として自身のレベル上げがついてくるが、稼いだ分は装備更新や二体目の高級式神といった戦力増強に回せないのが厳しい。
*
現地霊能組織の【未覚醒者】であり俺の婚約者となった宮下知佳さんの覚醒&Lv上げも今のうちに行う。彼女は派出所で事務を仕切ってもらう予定であり、黒札の身内枠いわゆる金札となるので、山梨・星霊神社で【俺たち】に混じりながら覚醒修行を受けてもらうことにした。【ソニックナイフ】や【ハイレグアーマー】など俺達パーティのお古装備を渡し、【デモニカ】を彼女用に新規調達して【金札養殖用修行場】に一緒に潜れば、彼女の根性次第だが3か月くらいで【覚醒】すると思う。
彼女が覚醒した後はアガシオンを渡しておけば、異界『浦野牧』の雑魚掃討も任せられる。彼女の才能限界はLv4~5くらいのはずだが、あそこの雑魚はLv1【餓鬼】がせいぜいだし。
彼女以外にもう一人二人、派出所の勤務員枠として金札認定しても良いかな。ちひろさんが言うには、根性なしの黒札俺たちを事務員枠で雇うくらいなら地元霊能者で見込みのある者を引き上げる方が十倍マシなんだとか「小ネタ 新規で転生者を事務員で雇うメリット」。
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