ハーメルン
【カオ転三次】マイナー地方神と契約した男の話
第5話 レベルアップ修行(1)

実家から山梨の星霊神社に戻ってきた俺は、実家近くの神社の異界について情報提供して(情報料は思ってたより高めの臨時収入になった)、いったんこの件は横に置くことにした。

レベル上げと資金稼ぎを目的にし、装備と回復アイテムを揃えて【レンタル式神】とのコンビで星霊神社の修行用ダンジョン低級層に突貫。レンタル式神である【妖鬼オニ】は【物理耐性】持ちの前衛タイプなので、タンク兼物理アタッカーとして前面に出し、俺がサブアタッカー兼アイテム使いのポジション。この陣形でかなり戦えている。
今は俺がダンジョン内で痛い目にあった【地霊ノッカー】が出現するエリアを主に徘徊している。適正レベルの狩場という意味ではここが一番戦いやすいのだ。
ノッカーが使ってくる状態異常(シバブー)だが、俺の【パトラ】を先に使用すると短時間だけ(ゲーム的表現をするなら1ターンだけ)敵の使ってくる状態異常を無効化できる。なお、先掛けしたパトラの盾は敵の状態異常1回で消えるので、複数のノッカーが同時にシバブーを使うと2発目を無効化できずに喰らってしまい、万全の対策ではない。
先掛けパトラ(これ)に気づく前と後で各1回ずつ乙って、どちらもレスキューチームに助けてもらったけどな!
『死に覚えが一番効率良い』なんて魔人ニキは言ってたが、流石に【リカーム】前提の戦法は無理です。

そんなこんなで1か月ほど頻繁にダンジョンへ通い、俺はようやくLv3にレベルアップできた。
スキルは特に覚えなかったが身体能力(ステータス)が全般的にアップしたので、今まで通りの戦法でより楽に戦えるだろう。しかし、以下の理由で俺は戦法を見直すことにした。
一つ、修行用ダンジョン低級層(ここ)はサポートが手厚すぎる。ダンジョン内で力尽きても、レスキューチームが死体回収してリカームをかけてくれるサービスがあるのと、自分以外の探索チーム(主に他黒札連中の式神)に出会ったときに交渉すれば【ディア】一発くらいは貰えるとか、これに慣れたらここ以外の異界探索なんかできなくなってしまう。
二つ、今の戦い方は銃弾と回復アイテム頼りなところがあり、アイテム購入費が馬鹿にならない。レスキューチームに助けられるとこれも大きな出費になるし、せめてディアを自前で使えるようになりたい。

ショタオジが言うには、適性がなくても修行をすれば【ハマ】【ムド】【ディア】【アギ】などの初級スキルは覚えられるのだとか。適性外のスキルを取得するのに長時間かけるくらいなら、ダンジョンに入ってレベル上げて適性スキルを覚える方が手っ取り早いよね? とも言ってたが、ダンジョンに入ってアイテム消費して赤字でしたを繰り返したくないのだ。
なお、金策としてパトラを付与した水(カフェインレスの眠気覚ましドリンクとしてそれなりに売れる)を頻繁に作成したこともあり、パトラの熟練度だけは鰻登りだったりする。

*

ダンジョンに入らない修行をしばらく重点的に行うということで、ミナミィネキから指導を受けることにした。
実は悪魔娼館にそれなりの頻度で通っており(懐が寂しいのはこれが原因だとか言わないでくれ、事実だから)、他人と肌を重ねることにある程度慣れたからこそ、ミナミィネキも下地はできていると認めて指導をOKしてくれた。

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