ハーメルン
【カオ転三次】マイナー地方神と契約した男の話
第9話 俺の成長ツリー、変な方向に曲がってない?

【アガシオン】がパーティメンバーに加わり、【エネミーソナー】が使えることで異界探索が急に楽になった。
アガシオンに【物理耐性】を持たせたので、戦闘時は囮役として敵の背後を取る動きをさせるか、いつでも【ジオ】を撃てるように控えているかの2パターンで今のところ事足りている。なおジオの使用回数は少ないので切り札扱いにして、俺が指示しない限り打たせない。
本当は偵察役として【マッパー】や【アナライズ】も持たせたかったが、いくら黒札用高級アガシオンといえどそこまでの性能は盛れなかった。星霊神社の修行用異界低層ではエネミーソナーの優先度が一番高いと判断してそれを乗せ、通常のアガシオンが2耐性2弱点「小ネタ とある地方の異界事情 後編の後編」のところ1耐性1弱点にカスタマイズした。
アガシオンは式神と異なりスキルカードで後付け改造ができず、マッパーやアナライズをレベルアップで覚える可能性も低い。探知能力は【デモニカ】か【COMP】を中心に考える方が確実かもしれない。

*

戦闘の心構えで一皮剥けたこと、エネミーソナーが使えることで勝ち目の高い敵かどうか選別して戦闘を仕掛けられること、の二点が大きいのだろう。七月になってLvが2アップしてLv6になりました。
Lv5になって新しいスキルは覚えなかったときは、こういうこともあると慌てなかったが、Lv6になって連続で何も覚えなかったときは大いに焦り、ミナミィネキに相談したところ、個人指導を内容を見直ししてもらえることになった。

「気の循環というゴールに対し、房中術でいう『体交法』からアプローチしてみましょうか。セックスを動物の本能的行動(生殖活動)の一つ上の次元、男女のコミュニケーション手段として身に着けるところから。一方的に貪るのではなく、互いに気持ち良いと感じられること。まずはそこから始めましょう」
「なんか房中術の理論とか聞かされるとアカデミックに感じますね」
「具体的には肉棒なしの手技口技のみでイかせられるようになってください。悪魔娼館なら実践の場として周囲に迷惑かけないですし、頻繁に通っても良いですよ」
「いっきに俗っぽくなりましたねぇ」
「その後は四十八手、性感開発、菊門、言葉責めなどの基本を一通りマスターしましょう」
「基本、ですか」
「基本(スケベ部基準)ですよ。最終的には一時的性転換や尊厳凌辱・闇落ちといったアブノーマル(スケベ部基準)まで一通り経験してもらい、基本に立ち返ります。守破離の離まで到達すれば、平田さんなら【性交】の【スキルカード】を作成できるでしょう」
「スキルカードですか」
「黒札用高級式神に搭載される【汎用スキル】として、とにかく需要があります。通常スキルカードは【概念】を大量の【マグ】で固めるため製造の難易度はそれなりに高いのですが、汎用スキルは【記憶の転写】に近いので難易度は下がります「小ネタ ガイア連合謹製スキルカードのあれこれ」。平田さんはすでに【パトラ】のスキルカード作成実績があるのですから、できます、できますとも」

あっ、ミナミィネキから『スキルカード製造要員として逃がさないぞ』という圧を感じる。

「平田さんは近々、ご自身専用の女性型式神を入手されるのですよね? その子にご自身できっちり仕込んであげてください。なんならあなたとその娘と二人まとめて実技指導してあげますよ。悪魔娼館の利用料を無料にしますから、早く覚えてください。私もう、スキルカードを作るのに飽きたんです、よよよ……」

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析