少年と双子とペパー
ライズ視点
~大空のヌシの洞窟~
結構キッツイサンドウィッチを食べ進めて行くと何故か人数分+αでもう一つ用意されている事に気が付いた
「ん?ペパー、一人分多く用意されてるみたいだが?」
「あぁそれか……折角手伝って貰ってるわけだからな……
お前らにはちゃんと話しておくべきかめな……」
するとペパーは暗い表情をしながら懐から使い込まれた跡のあるモンスターボールを取り出す
「……出てこい」
すると凶悪な顔をしたダークブラウンの犬ポケモンが現れた
だが俺はそいつを見た瞬間妙な違和感を感じた
「こいつはマフィティフ
オレの相棒さ」
「マフィティフ……たしかオラチフの進化系だっけ?」
「あぁ……幼い頃から……それもオラチフだった頃からずっと一緒にいた相棒だ」
「…………」
マフィティフはボールから出てきてからずっと倒れており、目も開いておらず鳴き声すら出さない
寝ていたり死んでいたりするわけではないみたいだが……
「さ、元気になるサンドウィッチだぞ……」
ペパーが余分に作っていた一人分、マフィティフの分のサンドウィッチをちぎって与える
「ほら……ゆっくり食べろよ
少しずつでいい……ゆっくり……ゆっくり噛むんだぞ」
そう言うペパーの表情はとても悲しげに見えた
「…………」
マフィティフはゆっくりと咀嚼するがその顎には明らかに全く力が入っているようには見えなかった
「コイツ……しばらく前にちょっと……大怪我しちまってさ……
それ以来ずっと具合悪くて……」
「ポケモンセンターじゃダメだったの?」
いや……ポケモンセンターで治るのであればペパーこんな状態のマフィティフを連れてはここで呑気にスパイス探しせずにポケモンセンターに連れていくのだろう……
なんでそんなに秘伝スパイスに執着したのかがようやくわかった……
「普通のケガや病気じゃ無いんだとさ……」
やっぱりな……
「……オレにとって大事なのはコイツ……
マフィティフだけなんだ
どんなことをしてでも絶対治してやるって」
するとペパーは鞄から紫と紅の本を取り出す
「ネットや本で治療法をたくさん調べて粗方試してきた」
その口振りだとやはり……
「どれもあんま効果無くて諦めかけてたそんな時……
秘伝スパイスの存在にたどり着いたってワケだ!」
「ねぇ、前から気になっていたのだけれどその本はなんなのかしら?」
「父ちゃんと母ちゃんの研究室で見つけたんだ」
その本のぺパーが開いているページにはこう書かれている
『秘伝スパイス』
エリアゼロにて 食べれば
たちまち 元気になる
不思議な植物を 発見し
秘伝スパイスと 名付けた。
持ち帰り パルデアの各地で
育てようとしたが 育成途中の
スパイスを 周囲のポケモンが
食べてしまい 強大に成長した。
これを ヌシポケモンと 呼ぶ。
「嘘みたいな話ばっか書いてある誰も信じないオカルト本さ
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