ハーメルン
世界の背表紙で、君と踊ろう
#0x06 The Point of No Return (1/3)

 それは一件の連絡と、そして警告だった。

 ――任務遂行中のリコリスが何者かに集団で襲撃され、殺された。
 リコリスが、命を落とす。それ自体は、残念ではあるが稀なことではない。しかし明確な意図を以て()()()()というのは、相当に異例であるらしい。なるほど、彼女たちの任務の性質が暗殺にあるところから考えても、寧ろそうでなければおかしいというのは、頷ける話だ。ただ現実として、一人のリコリスが何者かによって殺害されたというのは確かなことだった。

 いや、正確に言えば、それすらも正しくはない。
 つまり、一人()()()()のだ。リコリスへの襲撃事件は、決して今に始まったことではないらしい。
 彼らの言によれば、初めにこの種の情報――リコリスが何者かに殺められたという報告が上がったのは三週間ほど前のことで、そこからこれまでに犠牲となったリコリスはなんと四人を数えるのだという。いずれも夜間、かつ単独での任務を行っている最中に、突然の襲撃を受けてのことだったようだ。

 かかる事実を、僕はD()A()()()()()()()()()を経由して知った。

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