#0x06 The Point of No Return (2/3)
翌日。僕がクルミと「例の男」の調査に関する進捗を話し合うために、リコリコにやってきた時のこと。
奥間には、珍しく千束さんの姿があった。しかもリコリコの制服である着物姿ではなく、リコリス制服を纏った姿で。
「地下鉄襲撃犯とリコリス襲撃犯は、例の銃を使っているみたいだな」
千束さんに、クルミが話しかけている。
「クルミ」
僕が声をかけると、彼女はお、と声を上げた。
「来たか、隼矢。今の話聞いてたか？」
「ああ、聞いた。じゃあ結局一連の話はつながってる、ってことでいいのか？」
「まあ、そうなる」
つまり、「例の男」、そしてその一味こそが、今回のリコリス襲撃を繰り返している犯人に他ならない、ということ。
「一連の話？ ってなに？」
そう疑問の声を上げた千束さんに、クルミは一つの写真をモニタに映した。もはや僕たちの間では腐るほど見慣れた、武器取引現場の写真。
「ああー……」
得心がいったような表情を浮かべた千束さんは、クルミに一つの問いを投げかけた。
「じゃ、あん時のDAハッキングしたのもこいつら？」
その言葉に、明らかにクルミが不自然な反応を見せた。何か、図星をつかれたような。
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