ハーメルン
とある英霊の一方通行
一方通行

「二度と戻ってくンじゃねェ」
白い閃光の行き先、それは宇宙だ。
四分間の惑星の回転エネルギーという、莫大な力を使って、あの怪物を地球外へ追い払ったのだ。
「見た事ある光景だな」
どれだけの攻撃を受け無傷でいる怪物だろうと一方通行のように、そもそも触れられないという能力ではない限り、倒し方はいくつかある。
その中で今、行う事が可能であり、最も有効だと思ったのがこれだった。
(酸素も無く、身動きも取れねェ状態で生きてられるンだったら、正直お手上げだ)
一方通行ですら宇宙へ放り出された場合、生きていられる自信はない。これが通用しないのなら、あの怪物を倒す事は一方通行には不可能。
結果がどうなるかは、正直予測できなかった。
(あの硬さ、ただ身体が頑丈で収まるもンじゃねェ。何かしらの法則が働いている筈だ。恐らく、何かの能力って所だろうが、生身に触れられている辺り、俺の知っている異能じゃ説明はつかねェ。だとすると、やはり『魔術』。それも、俺に迫る程の強力な力ってトコか)
今更ながら、一方通行は先ほどまでの戦闘を軽く振り返る。
もし、あの実力を持っている奴がゴロゴロいるのなら、一方通行では対処不可能だ。一対一で何とか、ニ人以上で詰み確定だ。
情け無い話だが、エイワスやバーサーカーと呼ばれる怪物などは、こちらでいうレベル5という貴重な枠組みに入っている者達と祈るしかない。
「そもそも惑星エネルギーで蹴り上げて、爆散してねェ時点でオカシイだろ。この世の法則がアイツ一体で書き変わっちまうだろうが」
一方通行は苛つきを含めた声で愚痴を言いながら、腕に付けられている甲羅のような物の中から伸縮自在の杖を取り出して地面につけると、首元のチョーカーへと手を伸ばした。
カチ、と首元のチョーカーのボタンを押すと、脳内での演算処理が不可能になる。
これでは、ただの一般人と大差はないが、ひとまず脅威は去った。後はバッテリーを節約しながら、やるべき事をやるだけだ。




[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:8/8

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析