ハーメルン
御金様が好きで仕方がない地球防衛軍女性准将が、借金を背負ったので自分を救うために職権乱用の限りを尽くすスペースオペラ
マグロの尻尾は切るために
《
LCDH002-2222
(
貨物船バニラ
)
シャワー室》
バニラを避けるようになった海賊船のため騒動が落ち着いた。
シャロン准将は、とりあえずは平時運用に戻す。
はー。やっと入れた。シャロン准将がシャワーをしていた。
もこもこ。と頭皮をマッサージしながら泡を流している。
『こちら艦橋。艦長。至急艦橋に出て下さい』
艦内放送でシャロン准将を副長が呼び立てる。
「え…。このタイミングで…」
シャロン准将は、バスタオルで軽く泡を拭き取る。
大ピンチのシャロン准将は、まだビショビショの状態で、バスタオルで押さえながら、急ぎ
艦橋に向かった。
《
LCDH002-2222
(
貨物船バニラ
)
艦橋》
「どうした?」
なんていうカッコしてんだ。この人。バスタオル一枚でペタペタと艦橋にやってきたシャロン准将を皆が見てないふりをしている。
「EDSF所属艦が感知した該当航路を通る船舶をチェックしています」
「このままでは、本艦は10分後には接触します」
シャロン准将はアワアワな頭にヘッドセットをつける。
「他船との無線交信を聞かせて」
「無線交信は一切ありません」
「ただ、通り過ぎる船舶の貨物スキャンを、無言で行っているようです」
これ。絶対ウイルスに感染してんじゃん。そんなん。シャロン准将は作業手順とは明らかに違う味方艦を敵とみなす。副長は信じたくないようだった。
「ディスプレイに拡大映像が出ます」
「シャロン艦長。これ、脱出舟艇が全部出てますね」
「退艦命令が出てるのに動いているって…あり得ない。こんなの先制攻撃だ」
シャロン准将のそこからの行動は早かった。
「型式番号からパトロール・パセリ艦隊所属
EDSF001-411
(
フェンネル
)
と判明。該当地域に存在する3隻は
パセリ艦隊と思われます」
3隻からなるパセリ艦隊は、辺りを見張っているのが確認されている。3隻とも回避は不能だ。
「無線で呼びかけてみます」
「無駄よ。副長」
シャロン准将は、艦長席について戦闘配備を下令した。アラームのあと、艦橋の照明が蒼色から赤色に転嫁した。
「こちら艦長。
戦闘指揮所
(
C I C
)
へ。
長遠距離主砲
(
H L L
)
充填開始しろ」
パセリ艦隊の先行艦に照準を付けHLLを充填した。
『こちら
戦闘指揮所
(
C I C
)
。パセリ艦隊。こちらへアイギスバリアを展開』
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