十話 生還とちょっとした話
「で、彼女の状態は?」
指揮官はMPiの状態をSTG44に聞く
「身体と脚が穴だらけですが、まだ機能停止をしてはいませんわ」
「そう。それとあの戦術人形。貴女とそっくりね?」
「そう……ですの?」
「うん。髪の色、顔も貴女にそっくりよ。服装は違うけど」
「…………」
「……うーん」
あれ?まだ死んでなかったか……まだ生きてるなんて奇跡だ
「あら、起きたの。大丈夫?」
「……貴女は?」
「あぁ、私はSTG44ですわ。宜しくお願いしますわ」
「STG44……あぁ。宜しく」
「……意外と男っぽいですの」
と言われてしまった。元男で兵士だったからね!
「楽しく話してるね」
「指揮官」
ここの指揮官が入ってきた
「申し遅れたわ。私はここの指揮官のニキータよ。宜しく」
「ニキータ指揮官。ありがとうございます。助けてくださって」
「いえいえ、気にしないでください。救助要請が来ていたので出動させて正解でしたね」
「……修復はもうしたんですか?」
「えぇしたわ。でも貴女の身体、少し面白かったわよ。コアの部分が"心臓"なんてね」
「!?心臓!?どういう意味ですか指揮官!」
STG44が大きい声で言う
「44、私もMPiを修復して初めて知ったことよ。誰もMPiのコアが心臓だなんて思わないわよ」
「それは……」
「それにねMPi。貴女も幸運ね。貫通した弾の内一発が心臓付近だったのよ?後数センチずれてたら今度こそ機能停止してたわ」
「……それはギリギリでしたね」
「……まぁ、少しこの基地でゆっくりして。後のことはちゃんと伝えるわ」
病室を出て、基地を歩き回っている私なのだが……
「…………」ジー
STG44からジーと何故か見られてしまうのですが……
「……どうしたSTG44」
「いえ……何でもありませんわ」
と言いながらジーとずっと見てくる
絶対なにかあるだろと私は思った
「MPiさん……少しこうしても良いです?」
と言うと、私の腕に抱きついてきた
「どうしたSTG」
「……その呼び方はやめてくださる?44と呼んでくれませんか?」
「分かったよ。44。これで良いか?」
「……えぇ。良いですわ。これからも何処かで会ったら宜しくおねがいしますわMPiさん」
「ふぅ……タバコはええな。でもすぐ捨てる。これはガチで」
私はタバコを直ぐ捨て、脚で踏む
「……この生還が出来たのもなにかの運だな。帰ったら何をされるんだろうか」
とヘリも丁度到着した。意外なことに乗っていたのは
「MPiさん……!良かったです!」
「M4……グハッ!?」
M4に突進され、泣いてしまった。
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