面霊気の階 天
「さて、説明してもらおうか。どうして一之瀬にあそこまで言ったんだ?」
オレと軽井沢は昨日の作戦会議を見事にぶち壊し、一役、卯グループの大悪漢となった中禅寺を追い掛けて捕まえた。
「ん?ボクは何か間違っていたかね?」
「そうよ!昨日の話だと結果4を目指してあたかも綾小路君が優待者であるかのように持っていこう、ってことだったじゃない!わざわざSIMカード交換のためにPPも払ったのに!」
「そうは言うけどねえ、払ったのはボクじゃないか。」
まあ、そうだ。オレたち三人の中で一番金銭的に余裕があったのが中禅寺だったのだが、それにしても後で報酬が手に入ったら補填するというだけの話だ。
「もう!」
「いやね、思ったのだけど、わざわざボクを指名させるのも綾小路君を指名させるのもリスクが高いじゃないか。モンティ・ホール問題のように、変更した指名先のほうが確率が高いなんて。だったらそもそも誰も指名出来ない雰囲気にしてしまえば良いかなあと思って。」
「それはそうだが、表面上だけでも一之瀬と共闘出来る余地は有ったほうが良かったのではないか。」
「あの中で一番リスクの高い人間が一之瀬さんだ。彼女を黙らせる為なら悪役でも何でも演じるね。それに手を組むなら初手でやっておかないと意味が無いが、まあ、あの様子だとBクラスは指名してこない。Cクラスは脅されている張本人であるところのキミがいるDクラスを攻撃することを本能的に避けている。Aクラスの坂柳派の何という名前だったか、彼ぐらいじゃないか、指名するのは。」
演じるという割には真に迫っていたように見えたが、中禅寺の言にも一理ある。
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