ハーメルン
サイバーだけどパンクでなし―211×―ルームランナーズ
アンダー・ネット・リテラシー
さて、この角付きことコノミが立派なバーチャルアイドルへと転身してから早数ヶ月。自分は活動資金の受け取りと報告のために【宝石の庭】へと、訪れていた。
なお、この報告自体は、きちんと事前に契約したもの。具体的に言えば、自分が預かったアンドロイド(つまりはコノミ)の様子を宝石の庭に、見せに行くことで、彼女が元気に過ごしているかを確認させる。そして元気で幸せそうなら報酬や支援金にちょっと色を付けてもらえ、ダメそうあるいは不幸そうなら宝石の庭からお叱りや追加の補助金、場合によってはケジメを受ける。そんな契約である。
「おぉ~!なんだか気分としては久しぶりですね!
ご主人様!」
「だな。
……っと、おい、靴紐がほどけ掛かっているぞ、ちゃんと結べ。
……いや、代わりに結んでやるか。ほれ、そこに座れ」
「ひゃわ!はわわわ!
ごっご主人様にそんなことをさせるなんて……でも、ありがとうございます」
だからこそ、今の彼女と自分に対しては基本問題はないだろう。
それなり以上に幸せそうであるし、少なくともストレス的バイタルはほとんどない。今回はわざわざ外出用の衣装を着せ、見てくれもばっちりであるし、向こうの心証をよくするためのアンドロイド人権派お墨付きの山吹色のお菓子(可食)も準備済みだ。よし、これで何も問題ないな!これで、今回のアンドロイド支援金は俺たちのものだぜぇええ!!!!
「あ~!久しぶりじゃの!23号!いや、今はコノミだったかの?
ほぉ~、きれいなおべべ着せてもらえて、いい名ももらえて。
最近では配信業も始めらしいの」
「おお~、久しぶりですジーさん!
というか、ジーさんも私の放送を見てくれていたんですね!
一応、直接はお伝えしてなかったけど、えへへ、なんだか気恥ずかしいです」
「何を言っとる!お主の配信はダイブして楽しいからのぅ!
残念ながらライブではなく、再生物じゃが」
「え~!そうなんですか!
あ!それじゃぁ今度私の放送のライブパス渡しますよ!
ぜひライブにきてください!」
「おお、いいのか?すまんのう」
「あ!ジーねぇひどいっす!私たちも欲しい!」
「あ~、23ちゃん、いや、コノちゃん様~私にサインください!!
家宝にするから!」
で、場所は宝石の庭、そこの大会合室。
そこで無数の宝石の庭所属のアンドロイドに絡まれているコノミ、これはいい。
なんで伝えていないのに仕事がばれているんだとか、お前もそれを否定しとけよなど言いたいことはある。
が、それでも彼女が幸せそうなのはアピールできているし、それが周りに伝わっているから、最低限良しといった所だ。
そうだ、あっちはいいのだ、あっちは。
しかし、こっちに関しては……。
「ふ~~ん、ふ~~~~~ん?
この放送内容を確認するに、これらの放送の再生数だけで60万
DD
(
デジタルドル
)
稼いでいるように見えるんだけど?
DDのキャッシュの為替レートの詳細まではいわないけど、これならだ~~いぶ財布周りいいと思うんだけど?」
「では、事前の契約通り、補助金を」
「は~~!!どこかの誰かさんが警備配属増やしたせいで、アンドロイド人件費がなぁ!
[9]前話
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/4
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク