ハーメルン
青春時代というものがろっくなのかもしれない
後生です。冬コミマは見送りましょうよイライザ先生


 テストも無事に終わって一段落。スターリーをそのうち辞めるって話をしたことで、あの時は空気が終わってたけどそれも時間が解決してくれました。たぶん。少なくとも2人とも普通に接してくれてる。
 
「ぼっちちゃんたちを新宿FOLTに呼んだからさー。パッシーも来なよー」

「バイト中なんですけど酔っ払いさん」

「連れて行っていいですよね先輩」

今日は暇だから行ってこい(そいつを早く追い出せ)

 見放された。店に酔っ払いがいるのは面倒くさいって? それはもうド正論だ。スターリーは居酒屋でもないからね。

「前から気になってたけど、2人は知り合いなの?」

「知り合いの知り合い。だから他人」

「私に対してあたりが強くない?」

「常時酔っ払ってる人は知り合いでもないです。関わらないでー」

「そんなこと言っちゃって。ライブ来たがらなかったってイライザに言っちゃうよ~?」

「この……! 良い性格してやがりますねェ!」

「待って。イライザって誰?」

 伊地知にぽんと肩に手を置かれた。ニコニコしてるのに、目が全く笑ってない。こんなに怖い伊地知を見るのは久々だ……久々か? いや初めてかもしれない。
 なんか喜多ちゃんにも冷たい目をされてる。嘘だろ。おれ何かやっちゃいました?
 まだあわあわ慌てる時じゃない。こういう時こそ冷静に。クールになるんだ。

「イライザっていうのは、おれに英語を教えてくれてる人だよ。結構前にそういう人がいるって話したことあっただろ?」

「あ~。うん、あったね。その人がイライザさんで、廣井さんの知り合いなんだ?」

「そう。SICK HACK(シクハック)のギタリストでイギリス人。日本に来て3年目の女性」

「あ、ライブに行ったことがあるから、リョウ先輩もご存知なんですね」

「そういうこと。パッシーと仲いいのは知らなかった。どういう関係?」

「イライザが先生で、おれがアシスタント」

「ん??」

 全員が首を傾げてしまった。いや待てよ廣井さん。あんたは知ってるだろ。なんで揃って首を傾げてるんだ。

「イライザは日本のアニメが好きで来日してるんだよ。コミマも好きで、自作した同人誌を出したりしてる。今年の夏も付き合わされました」

「あっ、パッシー先輩言ってましたね。し、〆切りがどうとか」

「へ~? ところで、もってどういうこと?」

 今日の伊地知はとても怖いです。助けて店長。おれが何をしたって言うんですか! 交友関係で詰められるの怖すぎるっピ!

「去年も手伝っただけで……、それ以上でも以下でもないです」

「えー。本当に何もなかったの? イライザの家に泊まり込みだったんでしょー?」

「後藤ちゃんあいつ黙らせて! いだいです伊地知さん!!」

 肩がもげるぅ……!!
 泊まり込みだったけども本当に何もなかったよ。だって〆切りに追われてたんだもん。徹夜しながら作業しないと終わらなかったんだもん。なんでイライザ「手伝ってくれるからページ数増やしても終わるよネ!」とか思っちゃったんだよ。給料払ってくれ!

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