も、モンスターチルドレン?!
「そこにいるのは誰だ!」
トビラが呼びかけた木の影から二人現れた。
白髪の幼い少年とその父親らしき男。
――チッ! 子供の気配しか気づかなかった。俺の感知もまだまだだな。
トビラが鋭く睨むと、男はビクッとしながらも優し気な声で言った。
「や、やあ、ごめんね邪魔をして」
「なんだ? おっちゃんたち修行しに来たのか?」
「ああ。今日は休みだからこの子に修行をつけようと思ってね。俺は、はたけサクモ。こっちは息子のカカシ」
「はたけサクモ……貴様、“木の葉の白い牙”か」
トビラはサクモに尋ねながらも扉間時代のころを思い出した。
――見る限り、大姪の綱手と同じかやや上ぐらいか? やはり、扉間時代には顔も名前も見た覚えがないな。ということは、アカデミー教育を受けず忍になったのか、俺が死んだ後に他国から亡命してきたか。なんにせよ大した奴だ。
腕を組み、感心するトビラをサクモは困った顔で、サクモのそばにいる少年は訝し気に見た。
「お前、父さんのこと知ってんのかよ」
「ああ。先の大戦で戦果をあげたのであろう。かなりの実力者だと大人たちが噂しているのを聞いた」
「ふーん……というかなんでそんな偉そうなの」
「ちょ、こらカカシ! 失礼だよ」
「父さんに対して貴様なんていう方が失礼でしょ」
「あー悪い、悪い。俺の弟、ちょっとジジくせーところがあっからさ。悪気はねーんだよ。俺、うちはオビト! そんでこっちは双子の弟のトビラ! 噂になってるなんておっちゃん、すげー人なんだな!」
ジト目でトビラを睨むカカシの前に割って入ったオビトが人懐っこい様子で言うと、サクモは頬をかきながらも笑顔を見せた。
「こんな小さな子にまで知られているとはね……少し驚いたよ。君たち、見た限りまだアカデミー入学前だろう? すごい動きをしていると思ったが……うちはの子たちだったか」
「え? 俺らすげー動きしてた? マジで?」
「子どもにしてはってことでしょ。それにすごい動きをしていたのはそっちの弟の方。ボコボコにされていたお前が調子に乗るな」
「はあ?! なんだよお前! カカシだったか? ムカつくなぁ!」
「勘違いする前に教えてあげただけ」
「コラ、カカシ! 失礼だぞ! オビト君も中々なんだから」
「その言い方、父さんも弟の方がすごいと思っているってことでしょ」
「あっ」
――こやつ、少し天然のようだな。
はたけ親子の会話にトビラは気が抜けたが、オビトは顔を真っ赤にして怒り出した。
「ムキーっ! 今に見てろよカカシィ! 俺は火影になる男だ! もっともっと強くなるんだからな! トビラは俺が守るんだ!」
「見ている感じ、お前が守られる方だろ」
「うるせー! 俺は兄ちゃんなんだから俺が守るんだ!」
「双子なら兄も弟もそう違いは無いと思うけど……」
怒鳴るオビト、冷静に言い返すカカシ。
――いちいち反応する兄さんは言わずもがなだが、こちらのカカシとやらもいちいち険のある言い方をしおって……そんなに父親がよその子供を褒めたのが気に食わないか。スカしているがこやつも子供よの。
言い合う二人を眺めるトビラにサクモが話しかけた。
「君たち、普段はご両親に指導してもらっているのかな?」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク