アナザーW/非業な運命を背負った彼の結末
あの頃、仮面ライダーに熱中していた。
今じゃ大人気の俳優菅田将暉と桐山漣が演じた仮面ライダーWだ。
彼らの演技は俺みたいな小学生を簡単に騙してくれた、風都なんて架空の街であたかも自分がヒーローなんて顔をしながら戦っているフィリップにも当時の俺は熱中していた。
本当に仮面ライダーは存在する、俺らに何かあったらすぐに駆けつけてくれるはずだ!
当時小学校の4年生程度だった俺らはそんなあり得ないこと信じて疑わなかった。
そう、あの日までは…
卒業式、突如鳴り始めるサイレン。
大きすぎる揺れ。
ガラスが割れた
上の電気が落ちてきた
『地震です、地震です』
一定のリズムでうーうーとうなりながらなる緊急地震速報。
揺れが治まった頃には大怪我負った子供やもう生き絶えかけてる奴もいた。
そして地獄は加速した
『大津波警報が発令されました、直ちに避難してください』
幸いにも山の方の学校だ、津波はあまりこないとたかを括っていた。
それでも学校を含め周りに甚大な被害を及ぼし始めた、津波に備えていつも避難訓練をしていたはずなのにうまく体が動かない。
「なんでだよ…動けよ!」
体が言う事を聞かない、その間にも他の奴らは避難所まで駆け上がっていた。
ようやく動けるようになった頃にはもう津波がすぐそこまで迫っていた、死ぬ気で走った。肺が痛い、もう死んでしまう、そう思いながら走った先では地獄だった。
怪我人が何人も押し寄せて避難所の中で息絶えてしまった人もいた。
「なんでこんなことに…」
周りの大人たちはみんな言っていた。
いつも助けに来てくれると信じていたヒーローは僕らの前にだけは現れることはなかった。
***
時を超えて、俺は今アナザーWにになった。
仮面ライダーを嫌いになった俺が世代のWのもう一人を担当するなんてのは皮肉がこもりすぎだろう。
だが、あいつの仮面ライダーの歴史を破壊するって思想は気に入った、俺はあいつについて行くことにする。
***
あのガキ!逃げやがったな、だけどここは現代、誰も助けてくれるヒーローなんていない
はずだった。
なのに意味のわからない仮面ライダーに助けられる?なんでお前だけが助けられるんだよ、俺らのあの時はなんだったんだよ。
***
「さぁ、お前の罪を…教えて?」
最終的にはラーメン屋であったクソガキも仮面ライダーだ、しかもwのな。
お前の罪を教えて?なんなんだよお前ら、人の罪ばっかり数えて自分の罪は数えないってのか…ふざけんなよ
「ハーフボイルドだぁ…」
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