ハーメルン
『私の相棒は猫舌でツンデレ属性である』Byファイズフォン
カイザの呪い
激しさが増していく戦いの中でも、日常は変わらない。
仕事も、今日は休みという事で、バディは雑誌を適当に読んでおり、私もまた情報を探る為にインターネットに潜っていた。
そんな時、園田真理の携帯にメールが届く。
「本日PM四時
八景島シーパラダイズ
メリーゴーランド前」
同級生の犬飼からだった。
「おい、これって」
「うんっベルトだよ、ファイズ、これ、分かる!」
そうすぐに私に問いかけてくる。
私はすぐに画面に映し出されているベルトを見る。
「なっ、これは、やばいかもしれない」
「えっやばい?」
その言葉に、園田真理は驚く。
「これはカイザのベルト。
私自身もデータ上でしか、その性能は見ていない。
これは、私よりも前に開発されたベルトだ」
「つまりは、お前の兄貴か姉貴という事になるな。
それで、どんな風にやばいんだ?」
「このベルトは、フォトンブラッドの出力が私よりも早く高く、そしてセーフティーがない」
「セーフティーって?」
「園田真理や啓太郎のように、フォトンブラッドを十分に操れない者はすぐにベルトを外すようにしている。
さらには、ここに来る前に戦ったオルフェノクのように、私が適合する者だと認めなかった場合は、出力を落とす。
そのような感じだ」
「なるほどね、それがないという事なのか?」
「あぁ、最も、それがないのは最初のセーフティーだけだ。
ベルト自身も意思があるが、ある意味、それが危険だ」
「どういう事なの?」
「このカイザのベルトは、555のフォトンブラッドの倍以上の出力を出す。
つまりは変身した人間は、死ぬ可能性が非常に高い」
「それじゃ、早く犬飼君の所に行かないと!」
「待ち合わせ場所は、どこなんだ」
私の言葉を聞いた2人はすぐに走り出した。
おそらく、いや、間違いなくベルトは使用されているだろう。
だが、それでも、犠牲者を少なく済む可能性がある。
私達はすぐに向かい、遊園地に辿り着く。
約束の時間まで、まだある。
ゆっくりと見渡す。
待ち合わせ場所に着く巧と真理。
不気味な静けさと共に、ゆっくりとチャイムが鳴る。
「時間だ」
バディのその一言と共に頷くと、後ろのメリーゴーランドが止まる。
そこにいたのは1人の青年だった。
「犬飼君」
それが、どうやら目的の人物だろう。
しかし、声をかけるのと同時だった。
そこで犬飼が灰化する。
「「っ!」」
「バディ、オルフェノクだ!」
私の声を聞いたバディは、瞬時に周りを見る。
それは私も同じく、周りをサーチする。
「バディ、あそこだっ」
「変身!」
私の言葉に合わせて、瞬時にベルトに私を装填する。
そして、そのオルフェノクは姿を現す。
強固な皮膚で覆われており、ワニの歯形状のバックラーが特徴的なオルフェノクだ。
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