黄色獣人(猫)と契りを結ぶ
「この人が私とずっと一緒にいてくれる主のシャドウだよ。2人も知っているよね」
「あぁ。あの時助けてくださった少年か」
「あなた。この人なら問題ないんじゃない?」
「そうだな。彼は同意してたのか?」
「そうだよ! ねぇ、シャドウ!」
「うん」
「なんか随分と眠そうね」
「奥に横になれる所があるから、そこに案内してやれ」
「うん。ほら、シャドウ。歩くよ」
「僕もそう思う」
「今夜はお祝いね」
「あぁ、みんなに知らせよう! お前は傍にいれやれよ」
「もちろん。ずうぅーっと一緒だよシャドウ…ふふっ…」
スヤスヤ
っは!
僕は起きると、知らない天上が見えた。ここはどこだ…前に来たことがあるような。あ! ゼータの村か!
ワイワイ ガヤガヤ
なんか騒がしい。お祭りみたいな雰囲気がある。今日は何かのお祝い事だったのか。余所者の僕がいてもいいのだろうか。男女2人がやってきた。この2人は確かゼータの両親だ。
「おお。起きたのかね」
「あっはい。ご迷惑をおかけしました」
「迷惑なんて思っていないよ」
「そうそう。シャドウ君は私達の命の恩人なんだから! 今日は夕食を召し上がっていきなさい」
「いやでも」
「はいはい。いいから、もうご飯も出来ているし、食べていきなさい」
「は、はぁ」
僕は彼女の母に案内されるままついていくと、宴会のような場所にきた。豪勢な食事があり、前に治療した村人からも声をかけられる。僕はよく分からないけど、彼らに感謝されながら、用意された席に座った。すぐにジュースも運ばれてくる。もちろん人間用のだ。
「さぁさぁシャドウ様。食べて下さい」
「シャドウ様ってそんな。様付けしなくても…」
「いえいえそんな恐れ多い!」
「は、はぁ…」
「お味はいかがです?」
「美味しいですよ」
アルファのご飯の方が美味しいけどね
「お口に合ってなによりです! あ、娘が来ましたよ」
「お、おまたせ。シャドウ…」
僕は目を見開いた
そこにいたのはまるで結婚式に出るかというくらいにおめかしをしたゼータだ。アルファたちを始めとする美人を見慣れている僕も、おぉと小さく声を漏らすほどに可愛い。僕の反応を見てホッとしたのか、軟らかい笑顔を浮かべるゼータ。
そんな僕らを見て、周りは拍手の嵐。口笛ではやしたてる人達もいた。ゼータは着なれない着物を汚さないようにゆっくりと僕の元まで歩き、隣に座った。
「じゃあ皆さん! 我が娘に主が出来た事を乾杯!」
「「「乾杯!!!」」」
それからは大変だった。慣れない場所で、大勢の人達に囲まれながらの食事。ゼータは、僕の隣にいて、話をしないようにしても話しかけるし、無視しようとすると、周りが照れてるぞとはやしたて、離れて時間を潰そうにも、常に人目がある。無理やり逃げようとすれば出来るが、ゼータが僕の居場所を知る方法があるみたいだから、また追いかけてきそうだ。
しつこくなるのは嫌だしなー、でもなーと悩んでいると
「じゃあ誓いの儀式をしましょうか」
食事も終わり、最後に村の中央に来るように言われる。儀式? なにそれかっこいい!
僕はさっきまでの思考を放り投げ、儀式と言う心ときめく言葉に引き寄せられた
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク