ソニックとシャドウとアンジェラ
ブラック彗星事件から数日。
アンジェラの容態はあの後中々回復していない。医者に見せた所、所々打撲している以外に身体の方に特に悪い所はなかったらしい。アンジェラが言うには、知恵熱と打撲ともう一つの要因が合わさってあそこまで酷くなったとのことだ。
「……で、なんでブラックドゥームのエネルギー弾を受けて、それが知恵熱に繋がるのかとか、もう一つの要因がなんなのかとかは、そろそろ教えてもらってもいい感じか?」
ソニックは少し棘のある言い方でアンジェラに問う。心配させた方が悪いので、アンジェラもそれに関しては特に何も言わない。
……そう、それに関しては。
「それはそれとして……あのさ、ソニック」
「ん? どうした?」
ソニックは甘いハスキーボイスを至近距離でアンジェラに浴びせる。一緒に暮らしている内にソニックの顔面偏差値の高さには慣れていたものの、その甘い声を至近距離で聞くことに慣れている訳では流石にない。アンジェラは思わず赤面してしまう。
「また熱でも出たか? 顔赤いぞ?」
「ッ〜///、お前のせいだろ!」
「ん〜?」
「だぁら、近いんだよっ!!」
そう、今アンジェラは自室のベッドに横になっているのだが、何故かその隣でソニックも一緒になって寝っ転がっていた。ソニックの顔が丁度アンジェラの左耳の辺りにきているので、ソニックが喋るとその声がモロにかかる。アンジェラは心臓が色んな意味でドキドキしっぱなしであった。
「別にいつものことだろ? 今更なにを」
「ッッッ///それはいいから、せめて耳元で喋るのは止めろ! 喋りたいことがあっても頭から吹っ飛ぶわ!」
「ん〜?」
「聞いてんのか!?」
「可愛い可愛い妹の可愛い声なら聞いてるぜ? My sister?」
「つまり内容は聞いてねぇんだろ……!!」
……傍から見たらグイグイいく彼氏とツンデレな彼女の、イチャイチャしている恋人同士にしか見えないが、この二人はあくまで兄妹という関係に収まっている。ソニックが目に見えてシスコン拗らせているけれど。アンジェラもツンケンしつつ実はソニックのイケボを至近距離で聞けて役得とか無意識で思ってるタイプのツンデレなおかつ隠れブラコンを拗らせているけれども。
「……あのさ、二人共。僕が居ること完全に忘れてるでしょ」
そしてこの場にテイルス居るけれども。
この兄妹が傍から見たら恋人のようなスキンシップをすることはいつものこととはいえ、流石に話が進まないと思ったテイルスは、呆れたような声でソニックにベッドから降りるよう促した。ソニックはベッドから降りながら「Sorry,sorry〜」と言ってはいるが、完全に反省はしていない。ニヤニヤ笑ってるし。まぁいつものことなので、テイルスも軽く流した。
「それでね、アンジェラの体調についてなんだけど……はい、これ」
テイルスが差し出したのは、金色のバングル。それも4つ。アンジェラはそのうち2つを両手首に嵌める。すると、アンジェラの熱が段々と下がっていった。
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