ハーメルン
【完結】龍教団物語
15話:転移者キョーコ

この品質のものが実質紙代だけで大量に生産出来るとなると、恐ろしいことになる。
特に権力者は喉から手が出るほど欲しがるだろう。権力争いに巻き込まれかねないのだ。
まずプロパガンダや扇動に効果的だ、安価で大量に市場に流せば多くの人が手に取ることとなり、社会不安を引き起こすことも不可能ではない。
その他にもやろうと思えば色々と出来てしまうのである。聖女教徒が転生者を聖人と崇めるわけだ。
「大司教も王国も、黙ってはいないでしょうね」
「私はねぇ、彼女のことは好きだよ。だから、そういった政争の道具にされてしまうのは寂しいよねぇ」
「うーむ……」
「お三方!」
そこへルーナが扉をぶち破って入ってきた。なんてことするんだ。
「物騒なお話はおやめください。我々が愛を持って彼女を守り、そして説得することこそがクピドの教えに則る行動であるはずです」
扉をぶち破るのは教えてもらっていないが、確かに彼女の言う通り、愛を為すべきであろう。
「確かに、ルーナの言う通りだ。生産を絞って、信頼できる取引先だけと付き合うことにしよう」
……そもそも修道院なのでは、というツッコミは置いておくとして、出来るだけ社会を混乱させぬようにキョーコと付き合っていくことを決めた。
彼女も了承してくれたので、コスプレ写本は程々に出版する事となった。
まあ、あんな本が流通していたら大変風紀が乱れるだろうし、これでいいのだろう……。

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