4話:星霜の人々
確かに、血塗れの内臓に見えなくもない……。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
彼らが滞在している間は頻繁に交流し、互いの信仰について語り合ったり、
星霜宗名物、星々が夜空を巡る様を表しているとされている、音楽に合わせてくるくると回転をし踊る旋舞祈祷を披露してもらったり、
時にはドゥライドとの議論が白熱したりと、とにかく楽しい日々を過ごすことが出来た。
そしてあっという間に一週間が経過し、彼らの出発の日がやってきた。私は別れを惜しみつつも、彼らを見送る。
院長はこの修道院で作られるワインをなかなかの値段で買ってもらえることとなりほくほく顔であった。
「色々とお世話になりました、アーデルヘイト」
ドゥライドはそう言って握手を求めてきたので、私もそれに応じた。
「こちらこそ、楽しかったよ」
彼はにっこりと微笑み、名残惜しそうに指を離す。
「クピドの寵愛と祝福あれかし」
「あなたの道のりに星々の導きがありますように」
彼はそう言い残して馬車に乗り込んだ。私たちは手を振りながら彼らを見送った。
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