ハーメルン
ナンバー1ヒーローの娘になった、悪の組織の改人系ヒロインのヒーローアカデミア
11 振り返りの時間だ!

「さあ、振り返りの時間だ! ヒーローチームの最大の敗因が何か、わかる人!?」
「はい。オールマイト先生」

 魔美子が戻り、気絶した三人が保健室に運ばれた後。
 モニタールームにて振り返りが行われ、オールマイトの質問に発育の良い少女『八百万(やおよろず) (もも)』が解答した。

「最序盤にて爆豪さんが独断専行で突出し、轟さんも彼に続くように別行動を取ってしまったこと。
 あそこでバラバラにならず、バラバラになるにしても、ちゃんとした作戦を立てた上での行動をしていれば、いくら八木さんでも、もっと苦戦したはずです。
 彼女の動きにも粗が多く、直接戦闘はともかく、作戦は決して満点と呼べるものではなかった。
 正直、能力に任せたゴリ押しでした。つけ入る隙はいくらでもあったはずですわ」
「う、うん……。正解だよ、八百万少女」
「手厳しいー。でも、返す言葉も無いぜ」

 言いたいことを全部言われたオールマイトと、雑な戦い方をした自覚のある魔美子は揃って苦笑した。

「と、とりあえず、戦いは全て録画するから、保健室送りになっても後でちゃんと確認して反省すること!
 勝ったにせよ負けたにせよ、振り返ってこそ反省ってのは活きるんだ!
 魔美ちゃんも勝ったからといって慢心しないこと! 八百万少女の言う通り、反省点の多い戦いだったということを自覚してね!」
「はい。わかりました、オールマイト『先生』」
「あ……」

 態度が完全に父親モードになっていたことを自覚して、オールマイトは冷や汗をかいた。
 しかし、時既に遅し。
 生徒達は好奇心に満ちた目で、オールマイトと魔美子を見ていた。

「『魔美ちゃん』! 名前呼びの上に、ちゃん付け!」
「もしかしなくても、二人って昔からの知り合いだったりするんすか!?」
「ケロ。超パワーの個性も似てるし、親戚とか?」
「デクくん! 八木さんと仲良かったよね? 何か知らない?」
「え、えぇっと……」

 マズい。
 緑谷にまで追求が及び始めた。
 ワンフォーオールの秘密の重要性は魔美子とて理解している。
 そして、緑谷とは約1年、父とは10年以上の付き合いがある魔美子は、こいつらの嘘の下手さをよく知っていた。
 よく今まで秘密を守ってこれたなってくらい、全部顔と態度に出るのだ。

(……仕方ない)

 魔美子は覚悟を決めた。
 ポンコツ✕2が口を滑らせる前に、せめて被害を最小限にしておかなくては。
 ここにクラスメイト達しかいなくて良かった。
 バレてもここで情報を遮断できる。
 誰かが口を滑らせたとしても、自分達や学校側が徹底して否定すれば、ただの噂として処理できる……はずだと信じて。

「バレてしまっては仕方がない。真実を話そう」
「魔美ちゃん!?」
「パパ、残念ながら、もう手遅れなんだよ」
「「「パパ!?」」」

 クラスメイト達が驚愕の視線をオールマイトと魔美子に向ける。
 半ば予想していたとはいえ、やはりこの情報のインパクトは凄まじい。

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