ハーメルン
ナンバー1ヒーローの娘になった、悪の組織の改人系ヒロインのヒーローアカデミア
16 体育祭に向けて
「よって、露骨ではない特別扱いをすることにした。
八木、お前は体育祭において、全面的に個性の使用禁止だ」
「はーい」
「「「チャンスきたーーー!!」」」
「使ってこいやぁぁ!! 全力のテメェを潰さねぇと意味がねぇぇぇ!!」
「凄いや、かっちゃん……!」
一部例外を除いて、希望の存在に湧き上がるクラスメイト達。
それも仕方ないだろう。
トップヒーロー達ですら、圧倒的頂点であるオールマイトを超えようなんて気概のある者は殆どいない。
魔美子は肩書もあって、A組にとってのオールマイトのようなものだ。
それにハンデ無しで挑もうなんて思える爆豪の方が凄いのだ。
(
教師
(
おれ
)
としては、本気の八木を追い抜こうっていう爆豪みたいな気概が全員に欲しいところだが……
自分達
(
プロ
)
ですら実践できてないことは言えんか)
相澤はひっそりとため息を吐いた。
◆◆◆
そんな感じのホームルームを経て一日が始まり、授業を消化して放課後を迎え。
B組や普通科の生徒が敵情視察に来て、爆豪が条件反射のように喧嘩を売って宣戦布告みたいになってるのを尻目に、魔美子は相澤に拉致されて特別指導の時間となったわけだ。
宣戦布告してきた普通科の生徒やB組の闘志は悪くなかった。
A組も爆豪ほど燃えてるのは、同じく戦闘訓練の時にコテンパンにした轟くらいだが、ハンデありならやれるんじゃないかと気合いが入った者も多い。
楽しい体育祭になりそうだ。
それを憂いなく楽しむためにも、なんとかこのレポートの山を終わらせなくては!
「よっしゃー! やったどー!」
「ご苦労さん。体育祭までの2週間、特別指導は毎日行うからそのつもりで」
「そんな!?」
この悪魔! と魔美子は叫んだ。
悪魔に悪魔呼ばわりされるとは、相澤消太、恐ろしい男である。
「うぅ……。せめて息抜きが欲しい……」
そんなことを呟きながら、疲労困憊で帰路についていた時。
ピロンという音がして、スマホにメッセージが来た。
「緑谷少年?」
わざわざメッセージを送ってくるとは珍しい。
彼に関しては『父の後継者』としての興味しかないし、向こうもなんとなくそれを察しているのか、プライベートで何かを相談してきたことはない。
一応は交換しておいた連絡先が活かされたのは、今日が初めてだ。
「なになに?」
『八木さんへ。
個性の出力調整のヒントを掴んだので、特訓に付き合ってほしいです。
出力調整に関しては八木さんの方が上手だから相談してみなさいってオールマイトに言われました。
どうぞ、よろしくお願いします』
「かしこまった文章!」
修行中にゲロ吐かされまくったことを思い出したのだろうか?
そういえば、しばいた後はいつも怯えた様子で敬語になっていたような気がする。
なんにしても、父が相談してみろと言ったのなら、魔美子に断るという選択肢は無い。
[9]前
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:2/3
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク