ハーメルン
ナンバー1ヒーローの娘になった、悪の組織の改人系ヒロインのヒーローアカデミア
19 体育祭 パート3

「制限時間は15分。振り当てられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着!
 終了までにハチマキを奪い合い、最終保持ポイントの上位4チームが最終種目に進出よ!」

 そして、とミッドナイトは続け。

「重要なのはハチマキを取られても、また騎馬が崩れても、アウトにはならないというところ!」

 つまり、43名からなる、おおよそ10組くらいになるであろう騎馬が、ずっとフィールドに残り続けることになる。
 その特殊ルールを、ミッドナイトは続けて説明した。

「個性発動ありの残虐ファイト! でも、あくまでも騎馬戦! 悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード! 一発退場とします!」
「うげっ」

 魔美子が嫌そうに顔を歪めた。
 そういう手加減系の制約は常日頃からかけられているので、大分うんざりしているのだ。

「それじゃ、これより15分! チーム決めの交渉タイムスタートよ!」
「八木! 私と組もう!」
「僕でしょ? ねぇ?」
「おお。人気だ」

 交渉タイムがスタートした瞬間、即行で魔美子の周りに人が集まり出した。
 特にその実力をよく知っているクラスメイト達が。
 そりゃそうだ。
 ポイント数ゆえに狙われはするだろうが、それ以上に魔美子と組むことのメリットは大きい。

「うーむ」

 寄ってきたクラスメイト達を見ながら、魔美子はちょっと真剣に頭を使った。
 崩しプレイ禁止の更なる縛りプレイ状態となると、チームメンバーをちゃんと考えておかないと負けるかもしれないからだ。
 まして騎馬戦ともなれば、ワンマンプレーで全てを解決することもできない。
 彼女は数秒ほど頭を回した後、

「よし、決めた」

 チームメンバー候補を見定め、彼らに声をかけに行った。

「緑谷少年、飯田少年、麗日少女。私と組まないかい?」
「え? 僕?」
「む?」
「わ、私も!?」

 声をかけられた三人は、飯田以外、意外そうな顔をした。
 緑谷は上下関係を叩き込まれたあの超人が、自分ごときの力を必要とするのが予想外だったから。
 麗日は個性把握テストのボール投げで勝って以来、そこそこ仲良くしているという自覚はあったが、やはり緑谷同様、この重要な局面で彼女に頼られるというのは想定していなかった。

「えっと……忖度で選んだわけじゃないよね?」
「違うわ」

 魔美子のファザコンを知っているだけに、もしや後継者である自分を勝たせるために声をかけてきたのではと疑った緑谷。
 そういう気持ちも無いとは言わないが、この三人を選んだのにはちゃんとした理由がある。

「私は騎手やりたいから、緑谷少年は支えるの担当。パワーのある騎馬じゃないと、衝撃波打った時に反動で崩れそうだし。
 麗日少女は機動力補助兼、いざって時のための保険。私は衝撃波で空中移動できるから、麗日少女の個性で浮いちゃえば、落ちる心配もなく無限に空中を逃げていられる。
 飯田少年は機動力と牽引力。さすがに無限空中逃げ戦法は反則食らう可能性が高いし、あくまでも万が一の時の逃げ道としてだけ使って、すぐに安全地帯で騎馬を再構成したい。そのためには、即座に安全地帯まで他二人を連れて移動できる飯田少年の機動力と牽引力がいる」

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