ハーメルン
実況パワフルプロ野球恋恋アナザー&レ・リーグアナザー
第十七話 "八月二週・夏の甲子園二回戦vs南ナニワ川高校" 乱調とキャッチャー
八月二週
『さあ始まります。夏の甲子園大会第二戦。恋恋高校vs南ナニワ川高校。エース館西を擁する南ナニ
ワ川高校対、強力な打線を売り物にする恋恋高校。勝つのはどちらでしょう! いよいよプレイボールです!』
挨拶を終え、ベンチへと戻る。
俺達は先攻だ。矢部くんが早速バッターボックスに向かう。
「さて、館西攻略するぞ。あおい、復習」
「うん。えっと、たしかマックス一三二キロの軟投派で、制球力が凄くいい。フォームはオーソドックスなデータ重視の選手。これといった決め球は見当たらないけど、球種が多くて打ち取られやすいから、球種を絞って対応する」
「おっけ。んじゃ行くぞ!」
オーダーは先発が一ノ瀬のため、少し変わって。
先攻のこちらは、
一番遊 矢部。
二番二 新垣。
三番捕 俺。
四番右 友沢。
五番三 東條。
六番中 進。
七番左 明石。
八番一 石嶺。
九番投 一ノ瀬。
こんな形になる。
全体的に見れば打撃力は向上してる。打てないあおいがベンチスタートだからな。
後攻の南ナニワ川のスターティングメンバーは、
一番中 中谷。
二番一 紀田。
三番三 大山。
四番左 大浦。
五番二 木口。
六番右 日間。
七番遊 白浜。
八番捕 平出。
九番投 館西。
となっている。
この中で注目すべきは五番の木口。セカンドでありながら予選では六本の本塁打を放っているプロも注目する打者だ。甘く入れば手痛い一撃を食らう可能性も高い。ランナーを木口の前に溜めないようにしないとな。
ウゥゥウウウゥウー!! というサイレン。
プレイボールの合図であるサイレンが鳴り響くと同時、館西がボールを投げた。
スパァン! とボールはインハイに投げ込まれる。球種はストレート。
「ストラーイク!」
審判の手が上がってストライク判定が取られる。
ボール気味だと思ったんだが……今日の球審は高めに広いのか?
館西が二球目を投じる。
コースは再びインハイ。今度は矢部くんも反応し打ちに行く。
だが、そのボールは矢部くんの手元で食い込むように変化する。
スライダーだ。そう思ったときには遅い。
ガキンッと鈍い音を響かせて打球はファースト真正面に飛ぶ。
ファーストがそのままボールをキャッチし、ファーストベースを踏んでワンアウト。
矢部くんに対してはインを二つ続けた。まあ妥当な攻めか。外に逃げれば上手く流し打つ技術はあるしな。
館西は続く新垣に対しては初球にカーブ、続く二球目に矢部くんと同じような感じでインコースに食い込ませるシュートを使いファールさせてカウントを2-0にした後、高めのストレートを打たせてレフトフライに打ち取った。
確かにデータ通りストレートのスピードは物足りないし、一つ一つの変化球も前もって調べたように圧倒的なキレは無い。
だが、そんなストレートと変化球も組み合わせれば打ち取ることが出来るようになる。
所謂投球のコンビネーションってやつだな。
緩いカーブの後にストレート。インへのストレートの後に外へと逃げるスライダー。高めのストレートを見せた後のフォークボール。
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