ハーメルン
ありふれた職業で世界最強〜付与魔術師、七界の覇王になる〜
訃報〜前編
side:メルド・ロギンス
付与魔術師 要 進の死と、それに同行していた三人の兵士の殉職。
王宮にその知らせが届いた時、すぐさま
箝口令
(
かんこうれい
)
が言い渡された。
そして、その知らせをエリヒド王から聞いたメルドは異世界人、勇者一行にその事を知らせるようにと王に言い渡される。
メルドが玉座の間をでて最初に向かったのは四人の遺体安置所。
部下の一人は魔物に食い荒らされた姿で発見、もう一人は体を両断され魔物に体を数箇所食われた形跡あり、そしてもう一人と要は
腹
(
・
)
部
(
・
)
に
(
・
)
大
(
・
)
き
(
・
)
な
(
・
)
刺
(
・
)
し
(
・
)
傷
(
・
)
を伴い焼死体となって発見されたらしい。二人の遺体は体のほとんどが炭と化しており、もはや以前の様な姿は見る影もない。身につけていた貴重品などステータスプレートでさえ無くなっていたことから、盗賊の仕業だろうと判断された。そしてかなりの手練だと推測され未だに行方知らず。
そんな報告を横で聞きながら、メルドは王都に運び込まれた四人の遺体を目にし絶句した。
四人の変わり果てた姿。一体何があったのだと目を疑うほどの惨状にメルドは様々な憶測と感情が内側で入り混じり、何も考えが纏まらず、ただ呆然としていた。
そしてメルドは自身の愚かさと際限なく押し寄せる悔しさと後悔に己の拳を握り込んだ。
そこからの記憶は曖昧でいつの間にか自分の執務室に戻っており、メルドは部屋の扉を閉めた。そして吠えた。
「ふざけるなァアアッ!!」
玉座の間と遺体安置所では行き場の無かった怒りと後悔が拳に乗って自室の机を砕いた。
「何が王国騎士団長だッ!何が王国最強だッ!何が必ず救うだッ!何が!何が!何がァアッ!!」
机を砕き、壁を砕き、そして自身の頭を何度も何度も壁に叩きつける。まるで自分が砕けるのを渇望する様に。
「.......俺は....こんなにも、無力だったのか.....」
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