ハーメルン
とある男性操縦者の日記
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05/03 訓練26日目 稼働時間123時間

 今日はゴールデンウィーク初日、俺が午前2時間、サラ先輩が午後3時間のアリーナ予約ができていた。そこに楯無さんが加わったことで明日以降も十分確保できたから、訓練に支障はまったくない。

 ただ男性操縦者は、アリーナ使用を優遇されてるのか予約できすぎている気が……。念のため、余計な波風を立てないようにシェアするつもりだ。

 ところで、サラ先輩と楯無さんは同じ2年操縦科。そんな2人の技量を比べると、遠中距離機動射撃戦に強いのがサラ先輩で、中近距離戦に強いのが楯無さん。楯無さんは国家代表だけあって、他も非常に高レベルで纏まってる印象だが、特に近接武器の扱いは上手く感じた。

 そして楯無さんとの模擬戦。手加減されてるのは十分わかっていたが、映像で見たブリュンヒルデほどの脅威をどうしても見出せず、何が原因かさりげなく聞いてみた。

 曰く第三世代ISの特徴である兵装をまったく使用していないからとのことで、ブルーティアーズのBT兵器や甲龍の衝撃砲のようなユニーク兵装を禁じていることになる。それならば本来のスタイルからかけ離れているわけで、脅威度に差が出るのは当然、納得の理由だった。

 でだ、楯無さんからのアドバイスに『生身での戦闘技術も身につけるべき』というものがあって、サラ先輩も同意。

 俺も常々考えていたことではあるが師事する相手の心当たりがないといったら、格闘や武器戦闘は楯無さん、射撃はサラ先輩が稽古をつけてくれることになった。ここは二人の厚意をありがたく受け取って、より一層励むとしよう。


05/08 訓練31日目 稼働時間148時間

 生身での武器戦闘・格闘技・射撃、ISでの訓練、予習復習を繰り返しているうちにゴールデンウィーク最終日を終える。

 期間中、通常の授業時間より生身での訓練時間は遥かに短かったとはいえ、今までと違うことを行ったので疲労が残らないように十分気をつけて過ごした。
 楯無さんやサラ先輩の助言があれば素直に聞き入れたし、適宜休養を取ったのも良かったんだと思う。

 ……今日で入学してから1ヶ月超えたか、篠ノ之束の干渉を除けば状況はある程度落ち着いたといえるかもな。
 これまでは記録を残すため必要以上に日記をつけていたが、今後は何かあった時や考えを纏めたい時だけ書けば十分だろう。

 そもそも何故日記をつけていたかといえば、一度記憶を失ったことが原因。また記憶を失うことは稀だろうが、一度起きた以上、油断はできないから念のためというやつだ。

 特に今の状況で記憶を失ったら、どんな扱いを受けるかわからない。誰かが騙そうとしても、記憶が無いから気づけないなんて最悪だ。だからできる限りの対策だけはしておく、予想外の出来事や篠ノ之束の干渉がないとは絶対にいえないからな。


05/09 訓練32日目 稼働時間153時間

 今日から朝練のスケジュールを一部変更した。
 時間は変わらず5:30〜7:30だが、月水金は山田先生とのIS訓練、火木土は楯無さんとの武器戦闘・格闘訓練で、日曜朝をやめる。サラ先輩との射撃訓練は、空いた時間とIS訓練で補うことになった。

 ゴールデンウィークは昼間の授業が無かったから詰め込めたが、普段からだと無理がありすぎて、かえって効率が悪くなるという3人からのアドバイスを反映した形だ。

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