ハーメルン
ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります
出会い。そして邂逅。






 ◆




 翌日、ヒリヒリした肌の痛みと共に目を覚ました。
 どうした事か泊まっていた宿屋の部屋に真っ赤に燃える小人が寝そべっている、魔術的な炎は扱う意志一つで性質が変わるので引火延焼の心配は要らないだろう。

 というかコイツも主人公の仲間の一人。居ないとメインストーリーが詰む程度には重要なキャラですじゃ。

『火の精霊』

 そう呼ばれる種族の一員だ。

 何故僕の部屋に居るのか? それは問題無い、何故なら直ぐにお引取りを願うからだ。

 火の精霊は基本的に触れる事が出来ない、触ろうとするなら契約者となるか、本人が許すか、魔具を使うかの三択。

 錬魔術師なので当然そのような魔具は持っている。


「テッテレー! 『マジカルベール』」

《うわっ!? 何すんのさー!?》


 それはこっちのセリフじゃい! 

 マジカルベールを被せると精霊は実体になって触れるようになる、そしたら脇を持って窓際へ運び


「次来たらキャンプファイヤーの火種にするぞ」

《ウワァァァァァァ!?》


 外へ放流! どこへでもゆくがいい、戻って来るならはっ倒すからな! 

 本来精霊は人前に現れることは滅多にないが、あの『火の精霊』だけは例外で人前に姿を見せる、わざとじゃなくて姿を消せないから。
 それに他の火の精霊にとある理由から嫌われてしまっている、僕が解決出来る案件だけどそこは主人公の仕事だ。それを奪えば魔界王を倒せる人間が居なくなる、つまりバットエンド。

 でだが、はぐれ精霊には往々にして居場所が与えられない、途方に暮れて人間界を彷徨い学園まで迷い混んだ所を主人公に拾われ、仲間となる。

 出来れば僕が関わる事で主人公ではなく僕に懐くことは避けたい。

 誰が救世主になってもらう主人公様の戦力を削ぎ落とすもんか! 


《おーい火種にしてもいいからそばに置いてくれー!》


 おまっ……おまっ……


《顔色悪いぞ? 大丈夫か? 契約する?》


 しない! お前の主は別の人間じゃぁぁぁぁぁ!! 

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