ハーメルン
ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります
入学テスト。そしてライバル。
今日は待ちに待ったテストの日、筆記は問題なくクリアすることができたので心配していない。問題は魔術のテストだ、錬魔術と言う地味で戦闘向きじゃないので思いっきりやらないと成績が残らない事態になりかねない。
「どもども、魔術学科のミラン・クエストスです。気軽にミラン先生と呼んで下さい」
学園の敷地内にある屋外施設、訓練用広場にて入学希望者が集まって魔術教師の説明を聞いていた、百何人居るが広場はまだまだ余裕で入りそう。
ミラン先生がテストを行う際の注意点をサラサラっと説明して、次には課題の提示がなされた。
「はい! 注意点覚えましたか? 次はテストの課題です、よーく聞いて考えてください」
課題とは「標的に魔術を掛ける、全力で」とシンプルな言い回しで告げられ若干どよめいた僕達入学希望者。
口々に「楽勝」「駄目かも」「やれるだけ……」と小さく聞こえない程度に呟くがたった一人だけ違うやつが居る。
「ワタクシ、全力でやってしまいますと学園を破壊してしまいますの、それでもよろしくって?」
「『クインティア・デイリンド』さん、貴女の心配は分かりますがここは学園、生徒の為の場所です。壊しても責任を取るのは先生ですから、遠慮なくどうぞ?」
「まぁ流石はアルカ王立学園ですわ」
──ワタクシ、加減しなくてよ?
その言葉と共に魔術は圧巻の一言。
掲げた掌に彼女の周囲にある魔力が吸い寄せられる、やろうと思えば人から吸い出すことも出来るが今回は自然から集めるだけ集め、術式円陣を描き、魔術を成立させる。
「グラビティデス」
彼女の手から離れた暗黒球体は歩くような速さで標的のカカシへ飛んでいき、するりと通り抜け、煙のように消えていった。
何も起きなかった訳では無い。恐ろしい事にあの暗黒球体が通り抜けたカカシの胴体部分は真円にくり抜かれて綺麗さっぱり無くなっている。
「流石は『神話の五英雄』の子孫か……素晴らしい『絶界魔術』だね」
「一家相伝の秘術でしてよ」
直後湧き上がる歓声、この場にいた僕を除く全ての人間が沸き立っている。それも仕方ない事。
『神話の五英雄』
魔界王イビルを封印した建国の英雄アルカを含めた魔界王に挑んだ五人の英雄の総称である、その内の一人の血を引く直系の子孫が『クインティア・デイリンド』
魔術の大家として名を馳せ一族にのみ伝わる『重力魔術』の使い手、なんならヒロインの一人。
theお嬢様と言う風貌と性格をしていて、厳格で真面目、きっちりした事を好み、だらけていることを悪とする意識高い系のお嬢様。
信頼と伝統の縦ロールの髪型、よく目立つので縦ロール=クインティアと言う式が成り立つ。
彼女との出会いは主人公が入学してから最初のダンジョンに挑む時だ、そこで迷子の呪いを掛けられた彼女を見つけた主人公が呪いを解くためにダンジョンを奔走して最後は共にダンジョンボスを倒して親密な関係になる。
「凄い、凄いね、僕も張り切らないとね」
「エリンさんファイトです、あんなの見ちゃったら自信なくなりますぅ」
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