ハーメルン
ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります
千年の約束。そして契約。
エリンのお悩み相談コーナー!
ハイということで始まりましたエリンのお悩み相談コーナー、司会進行は私エリン・サーディブル、アシスタントはクーネ・キングガードさんでお送りしたいと思います。
そして本日のご相談者はかの有名な【竜族】のお姉さん、では早速お悩みの聞いていきましょう。
「おい小童、そのテンションで話しかけるなら何も話さぬぞ」
「ッス」
怒られたので襟首を正しきっちりかっちり接客させて頂きます。
「ではお姉さん、まずお名前を教えてもらえますか?」
「竜族に名を聞くと言うのはどういう意味が含まれるか知っているか?」
「あっそうでした、弱者に名を晒すことなかれ。掟でしたね」
少々面倒臭いが竜族のお姉さんと呼びつつ、ここへ来た目的をちゃんと聞き出す。
「ここへは何を目的に?」
「マディアの約束を果たしに来た、ワシが眠る前、お主らからすれば千年前の話だ。マディアは最高の友でな、人族なのに竜族のワシと張り合えた数少ない知り合いじゃ、マディアが死ぬ前に「子孫を頼むぜ」とワシに託した、人生最後の友の頼みを断れずに引き受けこうしてマディアの子孫の元へ顔を出した訳じゃ」
人族側にマディアの伝言が伝わってない……ほれみろ隣のクーネさんは頭を傾げてるぞ、そんな話を今まで聞いたことない人の顔だぞ。
「えー、で、実際は寝過ごしたってことですか?」
「ぬぅ……そうじゃ、寝過ごした、千年もな。数十年くらいええじゃろと軽く見ておったらこのザマよ」
プライドの高い竜族がここまで自分の卑下するとはよっぽどショックが大きいみたい、可哀想になって来た。
しかしなんだこのイベント、サブクエストの少女が凄い血筋でしかも【竜族】にまで繋がってる。
僕の知る『アシタナイト』ってもしかして凄く表面的なものだったのか、あれだけやり込んだと思っていたのに……
まあリアルの世界だしそんなものか。
だとするなら僕も知らないことも多い、僕の情報も改めて万能ではないと思い知らされる。
おっとと今はそれは関係無い、竜族のお姉さんをどうするか決めないと。
「ではお姉さんはどうします? 約束守って今からクーネさんを守ります? まぁご両親は守られず呪いに倒れた訳ですが」
「グッ……ぬぬぬ、だからエリン、お主に会いに来たのだ。ワシの代わりに助けたのだろう?」
「はい」
「その、礼をな……」
「礼? お姉さんから頂かなくとも既にクーネさんやご両親から貰っています、それにお姉さんも約束があったとはいえそこまで気にしなくとも良いのでは?」
「ならん! 竜族は口約束でもキッチリ果たすのが本懐! ワシの不甲斐なさが今回の事件を招いたとも言っていい、ワシが居れば呪いなんぞ直ぐに返してやったわ!」
流石竜族か、信念を違えぬ誇りの高さ、義侠心も人一倍だと聞く。竜族は義に生きる熱い種族だ。
なら、その、ちょっとそれを利用してさ……むふっ、人の善意を計算してるのは気が引けるけど、これってチャンスなんだよね。
竜族と人族、古くは英雄【アルカ】が魔界王討伐のために竜族の長【コウテン】を仲間としたことで繋がりができた。【コウテン】は恐ろしく強く、怒れば山が飛び、唸れば海原が割れるとさえ言われた怪力乱神だ。ゲームではその存在だけが語られていたのでビジュアルは知らない。
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