ハーメルン
ファンタジー学園ゲームに転生したので金魚のフンになります
遭遇。そして序列一位。

 エリン・サーディブル、行きます! 


「この書類を正式に受理しました、では10日後にテストを開始するので、それまでにいらして下さいね」



 無事に学園へ申請書を提出出来た、なんだろうあっさりし過ぎで不安になる。


「そう不安になるのは意味がないじゃろ?」

「これは癖でして、治せるものじゃないですよ」

「ランユンさんランユンさんあっちにオシャレなカフェがありますよ! 行きましょ行きましょ!」

「ぬおっ!? 引っ張るでない! おいエリン見てないで止めるのじゃ!」

「クーネさんには1万渡したので、しっかり楽しんでね?」

「ぬぉぉぉぉ──―」


 興奮したクーネさんに引き摺られ彼女はカフェへ向かった、クーネさん意外とパワフルだよねぇ。

 僕は僕で学園を楽しもう、宿も既に取ってあるし荷物も忘れず持ってきている。テストまであと10日もあるし今更勉強を頑張るよりも3年お世話になる学園を見て回る方が有意義、ですよね? (だらけきった笑み)

 歩いて回る前に書類提出時に貰った学園案内本、学園のススメを開いて読む。自分の知識とのすり合わせも兼ねて。


【アルカ王立学園】

 始まりは建国の英雄アルカが始めたとする千年の歴史を誇る大陸最古の、そして最新の技術や知識を学ぶ事が出来る学園である。

 次世代の英雄を生み出し、次なる人族の発展成長を促す事を目的に日々生徒たちは勉学に励む。

 学園は3年の期間を設け未来ある子供達を育てている、切磋琢磨しより高いステージを望む生徒にはさらなる飛躍の場を設けている。
 一般入学者は『ノーマルクラス』。
 貴族やテストで優秀な成績を残した入学者は『ハイクラス』。
 そして学園が『ハイクラス』では収まらないと判断した生徒には『リミテッドクラス』に割り振られる。



【学園施設案内】

 学園には様々な生徒の要望に答えるためにあらゆるモノを用意している、ここにないモノは無いとさえ言われる程に多種多様な施設は学園長の「生徒には不自由なく楽しみ学ぶ事へ集中してほしい」と言う思いから始まり、未だに施設は増え続けている。


「ほう? ほうほうほう? ほーっほっほ?」


 なかなか良いじゃないか、学園なのに街一つと同等の規模を持つというのは、設定として見れば有りがちで実際には凄い圧倒的な雰囲気を与えてくる。

 校舎を取り囲むように商店街があって、歓楽街があって、市場や住居がある。

 社会勉強をするには最高の環境だろう、前世の首都にもここまでの規模を持つ学園があっただろうか? いや無い! 


「ニヤけますなぁこれは……」

「それは良かったよ、気に入ったようで」


 振り向くとお姉さんがいた。
 僕はこの顔を知っている! その名前もな! でも一応礼儀として聴いてやるぜ! 


「僕は学園の生徒さ、生徒会長をやっている『メルディエル・コーンズウェル』だよ。よろしくね、君は……なんて名前かな?」


 メルディエル・コーンズウェル、ビッグネームが来ちまったぜ……

 メルディエル・コーンズウェルは【マスターナンバー】序列第一位、アルカ王立学園生徒会会長、そして王位継承権所有者の『アシタナイト』ヒロインの一人である。

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