ハーメルン
瀬人VSキサラ~時空を超える記憶~【完結後、後日談ぼちぼち執筆】
TURN3-4《No.77 The Seven Sins》
「まだ2500もライフが残ってるのに、演出過剰です! メインフェイズ2に──」
「拮抗勝負」
「…………。えっ…………?」
派手な吹っ飛び方だった。堂に入った迫真の演技だった。そう──本当に演技でしかなかったのだ。
「ククク……アーハッハッハ!! その通り! 吹っ飛び名演技を楽しんでもらったところで……次は残りLP2500からの逆転劇の演目を愉しんでもらうぜ! 自分フィールドが空っぽなら手札からも発動出来る罠カードさ! バトルフェイズ終了時に発動するカードだから、メインフェイズ2に入る前に処理してくれよォ?」
キサラの顔筋では出来ないであろう愉悦の表情で、ドッペルゲンガーは『拮抗勝負』のカードを見せつける。
フィールドのカードの枚数がイーブンになるように優勢側が自分のカードを裏側で除外するカードだ。ドッペルゲンガー側は『拮抗勝負』1枚しかフィールドに無いため、キサラも1枚だけ残して、他は全て除外しなければならない。
自分の手で選んで、除外しなければならないのだ──。
「う……うぐ……」
最も信頼するカードを残した、と理由付けがしたかった。
だが実際には「他に選択肢がない」だけではないかと、彼女は考えてしまう。
故郷での思い出を元に作ったカードも、半身たる龍も自分の手で除外などしたくはなかったが──。
「……『青眼の白龍』を1体残して、他は全て除外します……」
ドッペルゲンガー/手札2枚→1枚
光の霊堂(場→裏側除外)
青眼の白龍/攻3800(場→裏側除外)
↑光の導き(場→裏側除外)
フィールド魔法の崩壊によって『光の霊堂』のテクスチャーも、落としたパズルのように、蹂躙される民家の壁のように砕け散ってしまった。
儚く飛んでいく欠片を見て思い出すのは、戦争で失った故郷の──。
(ッ! たかがフィールド魔法を失った程度で、余計なことを考えては駄目! 今はデュエルに集中しないと!)
「メインフェイズ2で、カードを1枚伏せます。墓地の『太古の白石』の自身を除外して発動する効果で『青眼の白龍』を回収し、エンドフェイズには第1効果で『白き霊龍』をデッキから特殊召喚します。 これで、ターンエンド、です……」
青眼の白龍(墓地→手札)
キサラLP5100/手札1枚/伏せ1枚
白き霊龍/攻2500(デッキ→場)
青眼の白龍/攻3000
彼女の戸惑いと後悔は、偽者を大いに勢いづかせた。
「俺のターン、ドロー! 『強欲で貪欲な壺』で、デッキトップを10枚除外して更に2枚ドロー!」
ドッペルゲンガー/手札1→2→3枚
「俺も手札交換カード『トレード・イン』発動! そしてお前と同じく、コストとして捨てられたモンスターの効果発動! 『未界域のオゴポゴ』! 再びデッキから『未界域調査報告』を墓地へ送る!」
未界域のオゴポゴ(手札→墓地)
未界域調査報告(デッキ→墓地)
手札を2枚入れ換えたが、まだまだ引き足りないらしい。
「『終わりの始まり』だ! いま墓地には闇属性モンスターが10体いるから条件は満たしている! その内5体を除外して3枚ドロー!!」
ドッペルゲンガー/手札3枚→5枚
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