ハーメルン
ソードアート・ストラトス
第15話 自由を手に……




「僕だって……! 僕だってそうやって生きていきたいよッ!!!」

「ッ!?」

「でも無理なんだよ! 無駄なんだよ! たとえ僕がそう望んでも、僕には鎖がついている……絶対に切れない鎖が、あの人からかけられてるんだ!」



あの人……シャルルの父のことだろう。
父親のことですらあの人呼ばわりなのだから、もはや親娘ですらない……。
しかし、シャルルの言ったように、シャルル自身にも、父親の鎖が繋がれているのは事実だ。



「はぁ……はぁ……僕だって……僕だって、みんなと一緒にいたいよ……!
みんなと一緒に勉強して、遊んで、仲良くなって…………いろんな事がしたいよ……っ!でも、無理なんだよ……僕にはもう、何もできないんだよ……」



自身の思いをぶち撒けるように言うシャルル。
涙は絶え間なく流れ落ち、目は赤くなり、腫れている。



「ぐすっ……うう……」

「……シャルルは、今もそう願ってるじゃないか……なら、その願いすら叶わないのは嘘だ」

「そうだよシャルルくん! シャルルくんの思いは、決して無駄なんかじゃないんだよ?」

「そうだ。シャルルがしたい事、願っている事は……決して間違いなんかじゃない……そうだよな、カタナ」

「ええ、そうね。それからシャルロットちゃん? あなた、何か勘違いしてるけど、何もできないのは、むしろあなたのお父さんの方よ?」

「ぇ……? どういう……事ですか?」



そう言うと、刀奈は一夏に目配せをし、一夏は自身の机の上に置いてあった生徒手帳を開く。


「シャルル、安心しろ。お前の身柄は、今この学園が所持していると思っていい」

「なるほど……! その手があったな」



一夏の言葉に納得した和人が、一夏たちの考えを悟った。


「IS学園特記事項……本学園の生徒は、その在学中、あらゆる国家、組織、企業に属さない……」

「じゃあ、シャルルくんは、この学園にいる間……つまり三年間は、その身を保護できるって事だよね!」

「その通りだ。シャルルはこの学園にいる間は、お前の親父さんにも、フランス国家にも手出しできない……」



明日奈の補足と和人の決定論で、チェックメイトだ。
この学園における特記事項は全部で五十五個。そのすべては、この学園と、そこに通う生徒・職員を護る事。そして、ISを正しく使う事のためにある。
これで、シャルルの身柄の安全は、確立されたと思ってもいい。



「それじゃ……僕は……」

「ああ、また俺たちと一緒に、いろんな事が出来るんだ。勉強して、遊んで、いろんな事が出来るんだ……シャルル!」

「ぁ……一夏……僕、僕は……」



今まで我慢していた辛い思いが、涙とともに流れ出ているようだった。
その日、シャルル・デュノア……もとい、シャルロット・デュノアは、真の自由を手に入れたのだった……。









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