リアス・グレモリーの場合
「ねぇ、こんどお茶会やるんだけど、来ない?」
リアス・グレモリー。この駒王学園で知らない人はいない有名人であり、俺の先輩でもある。
そんな有名人に唐突にお茶会に誘われた。
普通の人なら男女関係なく喜ぶんだが、なんか手放しで喜べないんだよなぁ……
そんな此方の葛藤を知ってか知らずかどんどん予定をつめていくリアス先輩。
「日時は今度の週末で場所はオカルト研究部の部室よ」
なんか知らないうちに予定が埋まってしまったようだ。
そんなこんなで、お茶会の当日。
重い足取りで旧校舎にあるオカルト研究部のある部屋まで歩いていった。
オカルト研究部の前に辿り着き、ドアをノックした。
「どうぞ、開いているわよ」
「失礼します………あれ?今回は二人だけですか?」
「ええ、そうよ。言ってなかったわね」
リアス先輩にしてはらしくないミスですね。
「今回は私が淹れたのよ。飲んでみて」
「では、頂きます」
「どう?味の方は?」
「そうですね。初めて飲む不思……議な……味……です……ね」
リアス先輩の淹れた紅茶を一口飲んだ瞬間、不意に眠気が襲い、座っていた椅子から倒れた。
意識が途切れる直前に見た光景は、リアス先輩が不気味な笑みを浮かべている光景だった。
「こ、此処は何処だ?」
しばらくして目が覚めた俺は自分のいる所が分からず、軽いパニック状態になっていた。
と、その時
「ガチャッ」
と扉が開く音が聞こえ、見覚えのある紅髪の女性が入ってきた。
「目覚めはいかがかしら?」
「最高のVIP待遇だったからいい目覚めだよ。グレモリー先輩」
と皮肉混じりの返事を返した。
「一つ聞いていいですか?グレモリー先輩」
「良いわよ。答えられる限り何でも聞いて」
「此処は一体何処なんですか?」
その質問にリアス先輩が告げた言葉に俺は衝撃を受けた。
「此処は私だけの秘密の部屋よ」
な、何だよそれ……
「ちなみに此処、旧校舎の地下にあるのよ」
「そんな事聞いてないですよ、グレモリー先輩」
少し抜けた発言をしたリアス先輩にツッコムと、いきなり服を脱ぎ抱き付いてきた。
「グ、グレモリー「リアス」リアス先輩?一体何を?」
いきなりの出来事に戸惑い、リアス先輩に問いかけるも、リアス先輩は返答をせずに、いきなりキスをしてきた。
数分後、キスを終わらせたリアス先輩はこう言った。
「貴方がいけないのよ?私の気持ちも知らないで………貴方だって知っているでしょう?
ワタシハトッテモドクセンヨクガツヨイッテコトヲ」
リアス先輩のその瞳はエメラルドのような鮮やかな翠ではなく、不純物が混入したかのような濁った翠をしていた。
その瞳に恐怖し、リアス先輩を突き飛ばしてしまった。
その行為に、リアス先輩は顔色一つ変えずに喋り続けた。
「貴方が私に振り向いてくれさえすればこんな事をする必要も無かったのよ」
「リ、リアス先輩………」
「それなのに……それなのに、とこぞの馬の骨に誑かされて!挙げ句の果てには付き合って!あんな薄汚いゴミ虫なんか貴方には相応しくない!」
リアス先輩は何時もの穏やかな表情とは異なり、まるで般若のような形相だった。
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