第3章 距離
ネカネ・スプリングフィールド。
両親のいない僕の面倒を見てくれて、また気にも掛けてくれる年上のお姉さん。
柔らかな雰囲気を備えつつも、涼やかに整った容姿。その流れる金髪はまるで糸のような繊細さで、多分櫛を通しても引っかかるところなんてきっと一つも無い。
体型は所謂スレンダー型なんだけど、それに反して胸のサイズはそれなりに大き目で、背も高過ぎず低過ぎずの絶妙な按配だ。
【僕】やアーニャとは、一回りは行かなかったと思うけど、結構歳は離れていて……多分アーニャと同じ学校に通っているんだと思う。
アーニャから良くネカネの成績の優秀さとか、ネカネに告白する奴らの玉砕話とか聞かされているから、おそらくそうだ。
つまり、ネカネは成績優秀にて眉目秀麗というエリートで、その上性格もいいというリア充な人であり、僕の描いていた【理想の姉】をそのまま体現したかのような女性なんだ。
……まぁ、年齢の事を除けばだけど。
彼女はまだ中学生くらいだからね、今がこれなら将来には乞うご期待だ。いやそのままでも好物ですけどねふひひひ。
強いて難点をあげるとすれば、精神面が若干脆い所だろうか?
彼女は何かショッキングな出来事があると直ぐに軽い貧血を起こしてしまう、癖?のような物を持ってるんだ。
まぁ、僕にしてみればそれも美点であるのだけれどもね。ふひひw
優しくて美しくて頭も良くて性格もいいお姉さま! しかし豆腐メンタル!!
立ち振る舞いに一点の隙も無いけど、それと同時に柔らかさも持ち合わせている【理想の姉】! しかし豆腐メンタル!!
―――だがそれがいい。そのギャップ。まさしく萌え、だ。
そしてファミリーネームからも分かると思うけど、血筋上彼女は【僕】の【従姉】と言うことになるらしい。
……まぁ、本当に血が繋がっているかどうかは怪しいところだけど。
だって【スプリングフィールド】なんて付いてはいるけど、僕の【父親】に兄弟が居たなんて聞いたことはないし、僕自身も会ったことは無い。
疑問に思ってスタンや村のご老人達に聞いても誰も何も教えてくれないし、何よりその全員がはぐらかす様な態度をとることも気に掛かる。
もしかしたら父親ではなく母親関係で何かあるのか、とも思ったけれど……やっぱり誰も教えてくれない。
むしろネカネの事以上に母親の事に対してはうろたえるので、ここらへんに何かはあるっぽいんだけど。
……いや、これ以上詳しくは聞かないけどね。
だって、何かもう厄介ごとのフラグ臭しかしないじゃないか。
もしかしたら愛人とか腹違いとか、そんな感じのドロドロした話かもしれないしね、藪を突付いて蛇を出すような事はしたくないんだ。
唯でさえ自分のことで一杯一杯なんだから。
……で、そのネカネの事だけど―――僕自身はあんまり好きじゃなかったりする。
いや、確かに美少女で優しくて、しかも萌えポイント完備の理想の姉ではある事は認めてやらんでもないさ。
こんな僕でも優しく、それこそ本当の弟のように―――彼女にとっては事実そうなのだろうが―――接してもくれている。
あの毒舌だった星来たんに聞いても、おそらく4割くらいは賞賛の言葉がうっかり混じってしまうに違いないほど良い子だよ。
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