ハーメルン
美月転生。~お兄様からは逃げられない~
第九話 前世と矯正

やってしまったぁぁあああああ!!


内心で叫びながらベッドの上をゴロゴロと転がる。


ぼくは転生してからというものの、何か感情が高ぶると歯止めがきかなくなってしまう。楽しいときはスゴく楽しく、悲しいときはスゴく悲しく、というように人一倍感情表現が激しい。それも、中学生になってからは自制できていたのだけど……恋愛面ではそうではなかったらしい。小学生時代それで散々な目にあったというのにぼくは全く反省していないようだ。


「お前は……盛りのついたネコか!しょっぴかれても文句は言えねーからな!」

「うう、だって深雪さんがお兄様お兄様って達也のことばっかり気にするから…!」

「だからって普通無理矢理キスするか…?お前本当に頭のネジとんでるよ」

「少しは慰めてよ!なんでフルボッコなのさ!」

「黙れ色情魔」


深雪さんにキスしたりその他色々まずいことをしてしまったぼくは反省会をするために親友を家に召喚していた。既に深雪さんのことは何やら教室で親友が……さ……斎藤くん?とお話していたからある程度事情はその場で説明してあるけど、ゆっくり話す時間が欲しかったのだ。

だから、泊まる用意バッチリで親友はぼくの家に来てくれたわけなんだけどね……なんでかとんでもなくイラついてるよ!

ベッドの上に寝転がるぼくの上に座り、バシバシと頭を叩いてくる親友の顔は見えないが、口調からそれが分かる。いつも以上に荒い口調だ。とても女の子の口調ではない。


「お前は昔っからそうだよな、アタシも酷い目にあった」

「えー、ただ出会った瞬間に抱きついてキスしただけじゃん」

「男だったら百回殺してたな」


小学生のころは今以上にぼくはヤバイ奴だった。というのも、だ。ぼくが恋愛面でこんなに押せ押せなのは前世のせいなのである。

前世のぼくはそれはもうモテまくった。サッカーが出来て、勉強も出来て、顔も良かったからだ。それこそ日替わりで彼女を変えてもお釣りがくるくらいモテた。女の子に転生した今となっては、前世の自分を説教したい気持ちでいっぱいなのだが、今でも興奮すると前世のぼくが強く出てしまい、強引になってしまうのだ。前世ではちょっと強引にキスしてやれば簡単に落ちたし。

転生してからは女の体だからか、生活環境が大きく変わったからか、はたまた長い時間が経ったからなのか、思考も徐々に変わっていき、客観的に見て『前世のぼく』とは大きく違う新しい『ぼく』が形成されたわけだけど、親友、桐生 薫(きりゅう かおる)と出会った小学校低学年のころは前世のぼくに近い性格だったのだ。自分でも黒歴史なんだけどこの世の女は全部ぼくに惚れると思ってたんだよね。それで、今までに見たことないくらい綺麗な親友を見て抱きついてキスしちゃったんだよね。テヘペロ。


「酷い目にあったのはぼくの方だよ、キスした瞬間腕を捻られて地面に叩きつけられたんだから」

「当然だ、あの時ほどハゲに護身術を習っていて良かったと思ったことはない」


今のぼくがあるのは親友のおかげだ。彼女と出会ってからというものの、ぼくが問題行動をとる度に拳骨がとんできたからね、性格も矯正されていった。結構有名な師匠に護身術を習っていたらしい親友の拳骨はシャレにならないくらい痛いけど!

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