ハーメルン
ツイテル話
第二十話

 本体の俺がイナリ君と共に来るのは知っていた。しかし、よく見るとイナリの母さんが七人いる。自分のことながら嫌な予感しかしない。隣のイナリ君の目は死んでいるし。

 だが、かなりタイミングは良いと言えるだろう。敵も大将がやられ混乱している時にさらに追い打ちをかけるように人が増えたのだ。今がチャンスとしか言いようが無い。

 イナリ君や波の国の人々が援軍としてきたことにナルトが喜び、タズナさんは感動して泣いている。

「みんな無事か?」

 そんな中、本体の俺が一人走りながら俺たちに近寄ってきた。そして辺りを見回し混乱している。それも仕方ないだろう。最後に連絡をしたのはザブザが襲ってきたときだからな。

「話の展開が分からんから消えてくれない?」

「いくら本体がお前でもさすがに腹立つわ」

「そういうのいいから本当」

「死ねよ」

 俺はそういいながら消えた。



 分身が消えたことによりここで起こったことが全て頭の中に入ってきた。俺たちが来るまでの間に状況が変わりすぎてビビるレベルである。けども大体分かった。

「ナルト!! サスケ君は無事よ。ちゃんと生きているわ!!」

 それを聞いたナルトが涙を流しながら笑っている。俺はサスケの幽霊が居ない事から生きていることを確信していたようだ。

 これほどまでに生存確認で嫌な確かめ方が存在しただろうか?

 まあ、仮面に殺されたと思われていたサスケは生きていたのでこいつらと俺たちとの間でとくに問題は起こらないし、ほっといたら帰るだろう。

 そう考えた俺はここにいるメンバーに話しかける。

「カカシ先生あいつらどうにかできますか?」

「無理だ、さっきナルトにも言ったがチャクラを使いすぎた」

「じゃあ、どうするんだってばよ!?」

「それなら俺に任せとけ。こういう時は戦わずして勝つのがセオリーだ。つまり相手をビビらした方が勝ちだ。おい仮面!!俺が今からなんとかするからザブザを助けてこい」

「そうしたいですが、僕もチャクラがもうないです。再不斬さんも無いのにどうして?」

 そういいながら悔しそうな顔を顔をする仮面。何がどうしてかも分からん。

 仕方ない俺が一人でやりますか。今日一日何にもしてないの俺だけだし。

「おい、仮面!!」

「何ですか?」

「今からザブザを助けてやる」

「え!?」

「ただし条件がある」

「……それは何ですか?」

「まず、これが終わったら俺たちと戦うな。サスケも生きてたし恨みっこなしだ。次にザブザの剣をうば……貰ったものだから返還しないこと。ただでさえ俺はお前の命を救ったんだ。ちゃんとザブザの説得もしろよ」

「再不斬さんが助かるなら。なんでもします!!」

「その言葉を待っていた!!」

 俺は仮面との契約を守るために一人奴らの前に歩き出す。

「聞け、貴様ら!! お前らがこれから相手にするのはこの波の国をわずか七日間で崩壊させた怪物だ!! 死にたくないなら今すぐ消えろ!!」

「はぁ!! せっかくの金づるを殺しといてさらに消えろだ。ふざけんじゃねぇよ!! てめえらやっちまうぞ!!」

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