第十話。なのはさん(28)の交渉
「ふぅ、なのはさんにこの姿を見せるのも久しぶりですね?」
「……初対面だよ、このエロガキ♪ プチシューター、シュートッ!」
「ちょっ、うわぁああ!?」
“……因果応報、であります”
私の名前は高町 なのは。
極々、平凡な普通の魔道師です。
好きな言葉は不撓不屈。あと、個人的に女は愛に生きるものだと思っています。
あっ。でもでも、私は完全に非攻略キャラなので落としたいのならギガパッチを当てて下さいね? とまぁ冗談はそのくらいにして、私は只今、次元航行艦アースラへと乗り込んでいます。
およそ十年ぶりに乗ったこのアースラもこの頃はまだまだ新しくて、何か凄く不思議な感じがして何か落ち着きません。
「はじめまして、このアースラの艦長をしています。リンディ・ハラオウンです」
「こちらこそ、はじめまして。海鳴市在住の小学三年生、高町 なのはです」
さてさて、私はこのパチモノ臭い和室でリンディさんと初対面中だったりします。それにしても相変わらずこの人、若くて綺麗だよねー。軽く嫉妬してしまいたくなるくらいに肌とか綺麗だし……。
全くウチのお母さんといい、リンディさんといい、いい年なのになんでこんなにも若いのか。このリンディさんなんて三十超えてるのに背中から妖精みたいな羽とか出すんだよ?
しかもそれが普通に似合っているからタチが悪い。いい加減に自重しろと思ってしまう。ちなみに彼女達のこの異常な若さの秘訣は、甘いモノが関係しているのではと私は睨んでいる。だから、私もスイーツを沢山食べることに決めているのだ。
えっ? そんな言い訳をして、本当は自分が食べたいだけだろうって?
べ、別に言い訳じゃないもん。これでもお化粧のノリは良い方だし、肌年齢は十代だって言われたこともあるもん! まぁ誰かに見せる機会は、そんなに多くはなかったけどさ……うぅぅ。
「??? どうかしたの?」
「い、いえ、なんでもないです……」
いけないいけない。今はリンディさんと話をしているんだった、集中しないとね。
この変な和室の空間には現在、私とリンディさんの二人しかいない。確か昔はここにクロノ君とユーノ君、エイミィさんもいたと記憶しているけど、今は私達二人だけなのである。
その原因は完全に私にあるんだけど、私は別に気にしていない。だって、スケベでえっちな男の子達にはきちんとした制裁が必要だと思うから。
「本当にごめんなさいね、ウチの子が粗相をして……」
私の表情に何を悟ったのか、細い眉を下げて申し訳なさそうに私に謝るリンディさん。その理由は間違いなく今、医務室で伸びている黒色のボロ雑巾である。
ちなみにクロスケが海の藻屑と化した後、フェイトちゃん達はジュエルシードを持って帰ってしまった。うん。実は見事にじゃんけんで負けたんだよね、私。
まぁ、フェイトちゃんはじゃんけんで私に勝てたのが嬉しかったみたいで凄く喜んでいたから、個人的には良かったなぁなんて思っているんだけど。
その後にリンディさん達から通信が入って嫌々ながらボロ雑巾を回収、このアースラでクロノ君抜きで話をするってことになった。だけど、艦内に着いてからエイミィさんの薦めでユーノ君が人間形態になってしまったんだ。
そして、その姿を見た私は即座に思い出してしまう。あれ? ユーノ君って温泉の時、しれっと女湯に入ってたよね? しかも、鼻血を出して倒れてたし。うん、つまりユーノ君も覗き魔の変態さんだったんだぁ……というわけですぐにお仕置きを開始。まぁ、まだ子供だしそんなに気にしなくてもいいんだけどクロノ君を制裁した手前、ユーノ君だけお咎めなしっていうのは不公平だと思ったんだよね。
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