ハーメルン
東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新
九人の欲と一人の希望 V 『怨霊』

屠自古「なんだ?こんなところに呼んで」
布都「……何故じゃ…」
屠自古「は?なにがだよ」
布都「貴様も太子様に忠誠を誓ったろうが!!」

布都は怒っていた。怒りは頂点に達し、今にも殺しそうなくらいだ。

屠自古「……忠誠を誓ったのはお前の意思だろう?私もそうだ。それと同じで仙人にならないのもの私の意思だ」
布都「なに?」
屠自古「零も言っていたが、自分の意思が無いんじゃあないか?お前にはな」
布都「なんじゃと!!」
屠自古「そもそも、お前がこう怒っているのは、自分の意思が言えた私への『嫉妬』なんじゃあないか?」
布都「違う!!貴様ふざけるなよ!!」

布都は屠自古の胸ぐらを掴み、叫んだ。

屠自古「ふざけてなんかいない」
布都「貴様に嫉妬だと!?笑わせるな!!」
屠自古「だったら、大人しく仙人になれ。私は私だ。自分の愚かさを怒りと嘘の善で隠すなよ。お前が決めたんだからな」
布都「クッ!!」

布都は屠自古を掴んでいる手を外し、不発弾の爆弾のような怒りを隠さずその場を去った。









布都「あやつは何故、あそこまで冷静なのじゃ」

少し冷静になってみたが、認めたくない嫉妬を少し認めている自分がいた。それが更に苛立たせた。

布都「この怒りはッ!!どうすれば良いのじゃッ!!」

辺りの空気が変わった。一瞬にしてだ。
その異変に布都は気付く。

布都「なんじゃ!?」
■■「憎いか?」
布都「出てこい!!妖怪か?怨霊か!?」
■■「その怒りはどこに向ける?」
布都「何者…なんだ?」

謎の声は、なにか安心感と不安が入り交じる感情にさせる。
その為か、大人しく話を聞いてしまう。

■■「アイツにぶつければ良い。その怒りは何故出来た?あの男だろう?」

神田…零…
そうだ、奴のせいでこんなに苦しんでいる。
自分の意思?滑稽なものだ。そう思えてきた。

布都「……」
■■「殺すんだ。奴を、殺すのだ。」
布都「……」

布都は何かが自分の中に、自分の心の中に入って来るのを感じた。

■■「ついでに言っておこう。俺の名前は……」









零「ハァ……」

青蛾は仙人になるための道具等を持って来るため、一度だけ隋に帰らなければいけないらしい。なので、零が遣隋使の護衛として隋に行く為の船に、青蛾も乗るらしい。
そして遣隋使の護衛の俺は、この国に戻ったら神子とは会わず、旅を続けてほしいとのことだった。
まぁ、顔は合わせづらいからもあるだろうが、それ以前に俺に心配されたくないんだろう。

零「何でこう、上手くいかないんだろうか」

零は一人寂しく酒を呑みながら考えていた。
そこに…

コン…コン…

零「……入っていいぞ」
布都「……」

布都だが、布都ではない『なにか』が零を警戒させた。

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