~第二話~
「あ、ありがとだってばよ、今日はちょっと聞きたいことがあって…」
お茶を一口飲んだあと真剣な表情でじいちゃんを見つめた。
「ふむ…何を聞きたいのじゃ?」
少し微笑みながらこっちを見てくれた
「なあ、じいちゃん…俺の中に何かいるのか?」
「なっ!?」
じいちゃんの表情が険しいものに変わった…
「何故そんなことを聞くのじゃ? 誰かに言われたのか?」
少し声を荒げながら聞いてきた。
「誰かから聞いたわけじゃないってばよ…ただ、目を閉じて集中すると…牢屋が見えてきてその中から声がするんだってばよ。見た目は狐みたいだったけど…」
「ふむ…そうか…」
じいちゃんの顔が少し困っているように見えた。
「じいちゃん…知ってるなら教えて欲しいってばよ!!」
「…わかった…話そう…」
そこからじいちゃんはゆっくりと話してくれた。九喇嘛のこと、父ちゃんや母ちゃんのこと、九尾事件のことたくさん話してくれた。
「すまんのぉ…今まで隠しておって…」
じいちゃんは頭を下げて謝った。
「謝らないでくれってばよ…それに父ちゃんと母ちゃんの話が聞けてよかった!九喇嘛から少し話を聞いてたけど…やっぱり父ちゃんと母ちゃんは凄かったんだな!!」
俺は笑ってじいちゃんに言った。ちゃんと話してくれたことが嬉しかったからな。
「そうか…(この子がまっすぐ育ってくれていて良かったわい)ところで九喇嘛とはなんのことじゃ?」
じいちゃんが不思議そうに聞いてきた…まあそうなるよな…
「ん?ああ、九喇嘛は九尾のことだってばよ。仲良くなってから教えてくれたんだってばよ」
俺はさも同然かのように答えた。
「何!?九尾と和解したというのか!?」
じいちゃんは驚いたように聞いてきた
「う、うん…今では親友だってばよ」
俺はじいちゃんの勢いに圧倒されてちょっと戸惑いながらも答えた…だって前のめりになって聞いてくるじいちゃんなんて初めて見たんだもん…
「そうか…よく頑張ったのう…(こやつ…とんでもないのう…ミナト、クシナ…お前たちの息子はお前たち以上の大物になるかもしれんぞ…)」
じいちゃんは頭を撫でながら褒めてくれた。
「えへへ…」
俺はいつの間にか笑っていた。
「おお、そういえば明日はお前の誕生日じゃな! 何か欲しいものはあるかの?」
思い出すようにじいちゃんは言った。俺も言われるまでこのことを話すのにめいいっぱいになっていたから忘れてた…でも欲しいものは決まっていた。
「えっと…父ちゃんと母ちゃんの忍術を記した巻物が欲しいってばよ!!父ちゃんや母ちゃんが使ってた忍術を知りたいんだ!!…ダメかな?」
そう、俺は両親の忍術を学ぶためにコレが欲しいと思っていたのだ。飛雷神とか封印術とか…受け継ぎたかったのだ。
「ふむ…いいじゃろう、明日渡すからの。大事にするんじゃぞ?」
「ありがとじいちゃん!!大好きだってばよ!!」
俺はそう言いながらじいちゃんに抱きついた。
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