~第三話~
「なあ、そこのおっちゃん。この子知り合い?」
声をかけるが、ヒアシからの反応がない。
「おっちゃん!!」
「あ、ああすまない…私はその子の父親だ」
俺がちょっと大きい声で呼ぶと、ヒアシからようやく返答が帰ってきた。
「危ないところだったってばね、間に合ってよかったってばよ」
そう言いながら、ヒナタをヒアシに渡した。
「あ、ありがとう…君のおかげで娘を連れ去られずに済んだ…」
頭を下げてお礼を言われた。
「いやいや、当然のことをしたまでだってばよ」
「そんなに謙遜することはない。その君の行動で私の娘が助かったのだから。ところで君の名前を教えてもらっていかな?後日改めてお礼をしたいんだが…」
なんだか大変になってきたな…お礼とかは別にいらないんだけどな…
「俺の名前はうずまきナルトだってばよ!!…お礼って言われてもなぁ…あ、そうだ!お礼代わりっちゃなんだけど、この人のことおっちゃんが倒したってことにしてくれないかな?」
「(この子が九尾の…あの時の子か…ということはミナトの…)ふむ、それはどうしてなんだい?」
まあ、そうなるよなぁ…まぁ正直に話したほうがいいかな…
「いやぁ…今の時間俺ってばじいちゃん…あ、火影様の家にいることになってるんだってばよ。まあいつもなんだけど…今日は影分身を家に残してごまかしてきてるからさ…」
「そうなのか…ではそういうことにしよう…今日は本当にありがとう」
よかった、これでじいちゃんにバレなくて済むかな…うまくいってよかった。
「どういたしましてだってばよ!!あ、これっておっちゃん家の壁かな…穴空けちゃった…ごめんなさい」
「いや、その程度気にすることはない。今日はもう遅いから帰ったほうがいいのではないか?黙ってきているのだろう?」
「うん、そうするってばよ!!じゃあ、おやすみなさーい!」
俺はそう言ってその場を後にした…
「ミナトの子…ナルトと言っていたな…確かに似ているな…何か起きたら守ってやらねばな…それがせめてあいつへの恩返しになるか…」
ヒアシはそう言いながら家へと戻っていった…
そしてこの時、俺やヒアシは気づかなかった…ヒナタが起きて聞いていたことに…さらには日向一族の大人たちに一連の出来事を見られていたことに…
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