~第五十九話~
俺は今三○一の部屋の扉の前にいる。ようやく会場までたどり着いた。意外と時間が掛かった気がする。俺自身はそこまで何もしてないんだけどね。とりあえず入ろう。そうして扉を開けた。そうすると…
「遅かったじゃなーい、ナルト!!」
突然いのが俺の横から抱きついてきた。
「お、おういの。いきなりどうしたんだ?」
「一週間ぶりにあったんだからいいじゃない。それに最近は修行がほとんどでこういうことさせてもらえてなかったんだもの」
「そ、そうか」
「そうよ~」
いのが離れてくれる様子はない。動きにくいからできれば離れて欲しい。それにここでこれをやられてるせいか会場にいる奴らの視線をめちゃくちゃ感じるんだけど…そんなことを考えながらシカマルの方を見ると…
「諦めろ。最近俺とチョウジは散々愚痴言われて疲れたんだ。お前がしっかり相手してやればそれもなくなるんだ。頼んだぜ」
「後でお菓子あげるから僕からもお願いするよ」
「わかったってばよ…」
こいつらに被害が生まれてたのか…いのの性格から考えたらそうなるか。今は大人しくこのままでいよう。
「ナルっち発見!!って何抱きついてんのよいの!!」
「ナルト君から離れてください!!いのさん!!」
「白の言う通りだクソアマ!!とっとと離れろ!!」
「なーんだ、第十一班の三人組じゃない。嫌よ、こういうのは早い者勝ちよ!!」
「「「そんなわけないでしょ!!」」」
俺は何かの商品か何かか…なんか無駄に嫌な目立ち方だなこりゃ。俺は特に何もしてないんだが更に俺に向けられる視線が強くなってきたし…面倒臭い。
「いやっほー!!見っけ。これはこれはみなさんお揃いで」
「キバにシノにヒナタか。これでルーキー全員集合ってことか。こう全員が揃うのは久しぶりだってばよ」
ヒナタは結構会ってた気がするけど、キバとシノに会うのは下忍班発表の時以来だ。そういえばこいつらにはなんも話してないなー…どうせ第三試験予選の時には話すことになりそうだしいっか。
「ナルト…お前後で殺す!!」
「いきなり物騒なことで。別に俺はお前に何かした覚えはないんだけどな」
「うるせえ!!ドべなくせしてなんでお前にだけ…」
「こんなところでそんなことを言っても無意味だぞ、キバ。なぜならこいつらがほとんど聞いてないからだ。それにナルト。久しぶりだな」
「おう、久しぶりだってばよ」
「この試験は楽しみだ。なぜならお前の真の実力を見ることができそうだからな。期待しているぞ」
やっぱシノには早めに話しておいた方がいいのかな…それもそれで面倒臭そうだ。やっぱりまとめてでいいや。
「ナルト君…私頑張るね。それといのちゃんはいつまでナルト君に抱きついてるのかな?」
「さあね~私が飽きるまでかしらね。まあ飽きるなんて事はないと思うけど」
「…へー。ねえ、いのちゃん。私にそこを譲って欲しいんだけど」
「どうしようかしらねーふふふ」
もう何も言わん。いったところで現状が回復できる気がしない。一人に抱きつかれ、その一人と四人が睨み合いを続けてるんだぞ。助け舟が欲しいぞ…けどシカマルは手伝ってくれそうにないしチョウジはいつも通りにポテチ食い続けてるし…キバとシノに至ってはそこまで気の許せる関係になってねえ。第七班の俺以外の二人は見て見ぬふりを決め込んでやがる。どうにかして現状打破したい…イビキ、早く来てくれ!!そんなことを考えていると…
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