~第六話~
俺は今日向家の門の前にいる。怪我は話し合いをしている間に大分回復した。改めて九喇嘛の回復力ってすごいんだなぁ…
『ふん! 褒めても何もやらんぞ!』
またまた照れちゃって…まあそれは置いといて。改めて見ると立派な門だな…
「ナルト君、今日からここが君の帰る家だ。まあさっきも来ていたし新鮮味はあまりないと思うが…君もここの一員だからな」
「はい、改めてよろしくお願いします。おじゃまさせていただきます」
「挨拶を間違っておるぞ。もうここは君の家なんだから…」
「は、はい。た、ただいま…」
「うむ、おかえりなさい」
なんだか照れくさかった。だけどそれよりここが俺の帰る家になったことを強く実感した。
「ナルト君、みなに説明と紹介をしたいからついてきてくれないか?」
「分かりました」
俺はヒアシについていった。ヒアシは途中でコウに指示をしていた。まあ、みんなを集めてくれみたいなことだろう。それからしばらく進んでいくと大きなお堂みたいな場所についた。こんな所あったのか…
「ふむ、みな集まってるようだな。じゃあ行こうか」
そう言われたのでついていった。白眼でも使って確認したのかな…そんなことを考えながらお堂みたいなところに入っていった。
「みな急に呼び出してすまない。急ぎ伝えたいことがある。今私の隣にいるうずまきナルト君が私の家で暮らすことになった。理由は…」
ヒアシが説明を始めた。内容はだいたいじいちゃんのところで話していた事だ。俺はその間一族の人達を見ていた。誰からも冷めた視線を感じない…この三年間でこれだけ大勢の人がいると大体の人が冷めた視線を向けてきていたのに…不思議と心が暖かくなったような気がした。
「…ということだ、みなよろしく頼む。さ、ナルト君」
「改めまして、うずまきナルトです。これからお世話になります。よろしくお願いします」
俺は頭を下げながら言った。けど頭を上げるのが少し怖かった。さっきまで見ていた光景が嘘であったら…不安になったのだ。覚悟を決め恐る恐る上げてみた。
「よろしくな!」
「ヒナタ様を助けてくれてありがとうな、これからよろしく!」
「よろしくね、修行を一緒に出来るといいわね!」
みんなが声を掛けてくれた。さっきまでの光景は嘘じゃなかったんだ…
「ナルト君?」
「ん? なんだってば?」
ヒナタが声を掛けてきた、なんだろう?
「ナルト君…あの…泣いてるよ?」
「えっ…」
ヒナタに言われて気づいた。なんで泣いてるんだ俺…
「あれ…止まん…ないや…あれ…あれ…なんでだってば…」
「嬉しいときは…泣いても…いいんだよ…我慢しなくて…いいの」
「そうだな、ヒナタ。ナルト君、今日は思いっきり泣いても良い…嬉しいならばな」
その言葉を聞いて溢れるように涙が出てきた。俺も知らないうちに温もりを求めていたのだろう…結構な時間泣いた。それをみんなが優しく見守ってくれた。すごく嬉しかった。
「もう大丈夫です、ありがとうございました」
「おっ、いい笑顔じゃんか。その顔の方が似合ってる」
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