Re.Beyond Darkness 2.『暗闇の使者~Dangerous Plans~』
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――――この状況は一体、何でしょうか
見上げながら、ふとこれまでを振り返る…全ての物事には"はじまり"があり、"はじまり"に至る理由がある………自身がこの地球に来たのは標的を殺す為、依頼の為だ。依頼の"はじまり"は電子メッセージだったが、ヤミにとっての全ての"はじまり"は………目の前のテニスエプロン姿の少女、西連寺春菜……ではなく、兄アキトであった。
――――そしてこの状況の"はじまり"は「いい?ヤミちゃん。妹は…」からだった。
くどくどと説教をする視線の先の黒髪、ショートカット
「…だから……で……」
長々と御高説をしゃべる薄桃色の唇。いつもと違い留められていない前髪が、さらと揺れる。
「…と、そんなお兄ちゃんに苦労に苦労を重ねつつ…やがて…」
長々と――――――
「…それでも支えるのが妹として、いちばん大事…」
長々と――――――――
「…でも、それでも素直に慣れない妹は……」
長々と――――――――――――――
「……して月日は流れ、やがてふたりは……で………」
長々と――――――――――――――――――――――――
「…そして朝は食事や着替えの準備をして、昼はたまに会いに行ってライバルに牽制して、夜はいっしょにおふ……あ、」
長々と、を止めコホンと一つ息をつく唇。見上げる先には顔を朱くした姉、西連寺春菜。
「…どうかしましたか?」
「ううん!なんでもないよ?なんでも!あはは…」
頬を朱くする春菜は髪を耳にかけもう一度「コホン、」と態とらしく息をついた。唇を拳で隠していても溢れた息がヤミの金の前髪を揺らした。
「はい!取り敢えずおしまい!ごはんにしよっか、ね、ヤミちゃん」
「…ハイ」
――――やっとこの状況が"終わり"を告げたようですね
『むかしむかし、とおく過ぎ去った時間…
アキトとヤミがウチへ帰るとアキトは蹴飛ばされ追い出され、ヤミは玄関で正座&お説教されました。
事態の始まりの合図は轟く悲鳴、なぜかテニスウェアの上からエプロンだった西連寺春菜はスコートの中身を脱ごうと此方にお尻をむけ、パンツに指をかけていました。
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