ハーメルン
オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか?
6話「全員一気に戦いますか?」

『黄昏の館』

そこは都市オラリオ最北端にメインストリートから一つ外れた街路の脇にあるにある、ロキ・ファミリアのホームだ。

その黄昏の館にある訓練場の一角にそわそわとしている集団があった。彼等はタケミカヅチ・ファミリア。

(なんていう事だ・・・)

タケミカヅチは周りの団員と違い静かに目を閉じ、時間を待つ。しかしその思考は実に彼らしいものであった。

(猿師に半ば強引に飲みに連れていかれ・・・帰ってみると置き手紙。ただの置き手紙ならよかったんだが・・・。妖夢、お前ってやつは・・・本当に大丈夫なんだろうな?!)

タケミカヅチがこうなるのも仕方ないだろう、なぜなら手紙にはこう書かれていたのだ。

『明日ロキ・ファミリアで決闘してきます。初めてのレベル5で楽しみ。優しい人だから多分大丈夫。』

一体何処が大丈夫なんだ、とタケミカヅチは内心ため息をつく。ダンジョンに行くために急いでいたのか文章が簡素だが言いたいことだけはすごく良く伝わる文だ。

タケミカヅチ達の対面にはロキ・ファミリアの団員達が控えている。どうやらレベル1から2までの団員の様で戦いの勉強のために来ている様だ。

(妖夢は強い)

タケミカヅチは断言する。

(あいつなら同レベルの奴らには絶対に負けない、それどころか恩恵無しでレベル3を倒している・・・相手の油断とまぐれが重なってやっとだったが。)

妖夢は強い、それは力が特別に強いという訳では無い。妖夢の強さには幾つかある、まずは技量、剣を自身の体のように扱うその技量は凄まじく、タケミカヅチが修行開始二ヶ月目には搦手を使わなくては勝ちづらくなっていた程だ。

もう一つはその集中力。戦いに必要なものは沢山あるがこの集中力が無くては長時間の戦闘には耐えられない。無論例外もあるが。

(妖夢は丸一日戦い続けた時もあった。恩恵無しでだ。戦闘において集中が切れるのは死を意味する)

そして何よりもその『手札』の多さが妖夢の強さだろう。相手、場所、状況、時間帯。それらを吟味し最も扱いやすい武術、技を使用し戦うのだ、だから相手からしてみれば複数の剣豪と戦うようなものだろう。

(それに・・・どうやってるのか全くわからない謎の剣技とか使うしな・・・何をどうすれば平行世界から自分を呼べるんだ・・・なんだ燕さん斬ろうとしたら出来ましたって・・・)

(とりあえず、戦士としてはこれ以上無いほどの才能がある。でもなぁ・・・レベル5は流石に厳しい気がするぞ?)

「タケミカヅチ様、妖夢のやつ何だってこんな事に・・・」

タケミカヅチの隣で眉間に皺を寄せながら落ち着かなそうに周囲に目を配らせる桜花。

「心配なのはわかるが・・・信じてみよう。ま!そもそも負けてもいい経験になるだろ!妖夢が負けた事だって一度や二度じゃないしな。存外妖夢もわかってて挑戦してるのかもしれないぞ?」

「そりゃあ、そうかもしれませんが・・・」

桜花が納得いかないと言ったふうに顔をしかめた時、奥の扉が開かれ、ロキ・ファミリアの幹部と神ロキが現れる。

「みんなー!待たせたなぁ!」

ロキのその言葉にタケミカヅチは体を固くする、桜花もそうだ。千草と命は妖夢の付き添いで武器を選んでいる
ため、ここには居ない。居たとしたら「ひぅっ!」とか言っていただろう。・・・猿師はここには居ない、市場を調べに行った。

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