ハーメルン
オラリオに半人半霊がいるのは間違っているだろうか?
9話「お猿さーーん!」

(・・・対象を発見した)

ここはオラリオ中央通り、冒険者が多く利用するここは様々な店が建ち並ぶ。

そんな活気溢れる通りを外れ、脇道にそれた所で男は気配を消して潜んでいた。

男の名はオッタル。主神であり愛しきフレイヤの命令でとある少女を追っている。フレイヤの命令をわかりやすく解釈するなら「仲良くなって私の前に連れて来て、怪我はさせないでね」だ。

一切の間を開けず返事をしたものの、オッタルは少し、ほんの少しだけ躊躇していた。理由は簡単である、オッタルの外見は猪の耳を頭から生やした身長2mを超える筋肉質の大男なのだから。

(俺があんな小さな女子に話しかけてはファミリアの名が落ちるのでは?)

それが心配だった。この世界の神々は随分とアレな性格のものが多い、オッタルが少女に話しかけるシーンなど見た暁には大声で騒ぎ立てるに違いない。

(しかし・・・フレイヤ様の命・・・期限こそ無いが向こうが大人になるまで待つわけにはいかない。早く接触しなくては)

彼が追う対象は魂魄妖夢という少女だ。緑色のベストに緑色のスカート、黒いカチューシャとなかなか奇抜な格好をしている。その上髪の色が銀色なので発見はしやすい。

しかしやはりなかなか足が前に進まない、とりあえず今日は諦め、妖夢について調べておこう、とオッタルは行動を開始した。




「・・・」

千草達四人はダンジョンに向かっていた、しかし、普段なら千草達に対し優しく微笑んでくれるはずの妖夢は中央通りにはいってから終始無言だった。辺りを警戒しているその目は見ただけで物が切れてしまいそうだ。

(どうしたのかな・・・)

千草は心配になる、妖夢がダンジョン以外でここまで警戒するなどオラリオに来てからは初めてだったからだ。

(聞いてみようかな・・・でも少しだけ怖いし・・・いや、怖くないよね、妖夢ちゃんだもん!)

「・・・ね、ねえ妖夢ちゃん?どうしたの?」

勇気を出して声を掛ける、すると妖夢の表情はコロッと普通に戻り「む?どうしました?千草」と聞き返す。

「いや、何だかダンジョンの中みたいに警戒してたから・・・」

それを聞いた妖夢は若干苦笑いを浮かべなから話し出す。

「いや、何だか最近妙な視線を感じまして・・・剣客かと期待しているんですが、なかなか仕掛けてこないんですよ。」

「いや、仕掛けてこなくていいだろ。」ベシッ
「あいた!」

妖夢と桜花のそんなやり取りを聞きながら心配になって千草は辺りをキョロキョロと見渡す。命も「剣客」のあたりから油断なく視線を左右に動かし、桜花もツッコミを入れながらさり気なく警戒している。妖夢は打って変わって全くと言っていいほど何もしていないが恐らく半霊を使い空から確認しているはずだ。

「・・・とくに怪しいやつは居ないな」
「居ない様です」
「うん」
「・・・残念です」







「右に行ったぞ命!後ろに通すな!」
「はい!」

ダンジョンに声が響く。ここは十三階層、俗に言う中層だ。どもっす!おれっすよ!いまは少しでも経験値を集めるべく皆でダンジョンに来ているのだ。

ん?ステイタスの更新はどうしたんだって?・・・いや、忘れてた訳じゃないんだ。そう、おれは楽しみはあとにとっておくタイプでさ・・・。この後更新してもらいたいけど神様達の集まりがあるらしいしまだ無理かな、いやすぐ帰ってくるって言ってたし明日には出来るか。

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