ハーメルン
サウザー!~School Idol Project~
8話 ストロベリー聖帝 の巻
+前回のラブライブ!+
昔かよちんに「凛ちゃんほどの運動神経あったら世紀末でも生きていけそう」と言われたことがあるけど、たぶん凛は生きていけないと思う。だって、世紀末だとお水手に入りにくいし、そしたら必然的にラーメンだって作れないし、ラーメンを定期摂取しないと凛はなんやかんやで死ぬから。
そういえば水が無いとお米も炊けないから、なんやかんやでかよちんも死にそう。
前回はそんな感じの話だったにゃー。
——星空凛
※
学校が休みの日、μ'sの面々は朝から近くの神社で練習をしている。長い階段と広い境内という造りが練習に向いているのだ。おまけに生徒会の中でμ'sに好意的(敵対心を抱いているのは絵里だけだが)な希がここで巫女のバイトをしているから、そのコネ的なもので大手を振って練習ができる。
この日、皆より一足早く神社の境内へやって来ていたことりは一人ストレッチに励んでいた。
「いっちに、いっちに……うん?」
ストレッチに励みながら、彼女は奇妙な気配を感じた。何やら、じっと背中を見られているような……そのような感覚である。
しかし、振り向いてもそこに人影はなく、静かな境内の砂利が広がるだけである。
「うーん……」
「ことりちゃんおはよー」
そこへ、まだ少し眠たそうな穂乃果を筆頭に海未、花陽、凛がぞろぞろとやって来た。
「ことり、キョロキョロしてどうかしたのですか?」
「いや、なんだか誰かに見られてる気がして?」
ことりが指で示すのは社務所の角である。そこから誰かが覗いている気がすると言うのだ。
「不審者かにゃ?」
「困りましたね、こういう時に限ってサウザーはいませんし」
サウザーは現在、自らのベッドで絶賛爆睡中である。なんでも、昨日夜遅くまでテレビの映画を見ていたらしく、起きられないとのことだ。
ブルが言うには、サウザーはしっかり八時間以上の睡眠を足らないといけないらしい。
「必要な時に限っていませんね」
「まぁ海未ちゃん、そう言わないで」
しかし、ことりの勘はそこそこに当たる。きっとトサカ部分がレーダーにでもなっているのだろう。本当に不審者がいるとなれば、安心して練習が出来ない。
「……ちょっと様子見てくる」
そう言うと穂乃果は近くに落ちていた木の棒を拾い上げるとじりじりと不審者が潜むと思われるポイントへ近づき始めた。
「先輩大丈夫なんですか?」
心配げな花陽。しかし、穂乃果は自信に満ちた顔で、
「大丈夫! 漫画版だと私剣道やってるし? 余裕余裕」
穂乃果は別次元に生きる己の力を信じ、不審者へと立ち向かっていく。
「穂乃果先輩カッコいいにゃー」
「こういうのは無謀って言うんですよ」
心配するメンバーの声を背中に受けながら社務所の角へと近づく穂乃果。そして、木の棒を構えながらシュバッと角を飛びだした。が、その瞬間。
「ふおっ!?」
穂乃果の胸が……正確には、穂乃果の練習着(ほの字シャツ)の胸の部分がお色気バトル漫画にありがちな感じで切り裂かれ、年相応に豊かな胸元が露わになった。
「穂乃果先輩の胸が!?」
「破廉恥ですー! ふんぬっ!」
「海未先輩がぶっ倒れたにゃー!」
胸を隠しながら思わずしゃがみ込む穂乃果。そんな彼女の前に、マスクにサングラスという絵にかいたような不審者の少女が仁王立ちするように現れた。怪しい外見の割に頭から生えたツインテールがみょうちくりんな雰囲気を醸し出している。
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